WOCナースとは1997年に誕生した皮膚・排泄ケア領域の認定看護師のことです。前身としてストーマケア専門の医療資格がありました。人工肛門や人工膀胱のケアや創傷ケア、失禁ケアを専門的に扱っていますが、排泄物や消化液の影響で起こるスキントラブルの対処法や知識が褥瘡や慢性潰瘍のケアに活用できたことから現在ではWOCナースは褥瘡や慢性潰瘍のケアにもあたるようになっています。

日本看護協会によると「認定看護師とは高度化及び専門化する保健、医療及び福祉の現場において、熟練した看護技術及び知識を必要とする看護分野として制度委員会が認めたものをいいます。」と規定されています。2016年時点で特定されている分野はWOC以外に救急看護や集中ケア、緩和ケア、がん化学療法看護、新生児集中看護など21分野に及んでいます。認定看護師の資格を取るためには看護師免許取得後、実務経験が5年以上必要であり、規定のカリキュラムを修了後筆記試験に合格することによって認定看護師として認められることになります。看護師としての業務をしながら勉強をするわけですから、並々ならぬ強い意思が必要になります。しかしさらに自分の専門分野の知識やスキルを磨きたいとか、転職に有利になるなどの理由で年々受験者は増加傾向にあります。

主な活動は「実践・指導・相談」の三つがあります。実践では自宅のケア方法や訪問看護、在宅ケアサービスを患者さんやそのご家族のためにコーディネートしたり、患者さんが転院する場合は継続したケアに必要な情報を転院先へ伝えてうまく連携ができるようにしています。指導はOJT教育や集合教育などケアにあたるスタッフに対しても指導を行います。また相談では看護師以外に医師や介護スタッフなど、それぞれの分野のスタッフや専門家との間で打ち合わせをすることによって、よりよい医療サービスの提供を心がけます。

WOCナースをはじめ認定看護師の仕事は自分の仕事以外にも気を配らなければならない大変な仕事ですがその分やりがいがあります。もしキャリアアップをしたいのであれば認定看護師に是非チャレンジしてください。