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退職金とは?

退職金の支給は法律で定められているものでありません。

つまり雇用者には退職金を払う義務はないのです。
退職金は退職後の生活や次の仕事への準備期間の補助として支払われるものですが、退職金の有無・金額については各企業・施設にまかされているもので、支給基準といったものもありません。

労働基準法では全額払いが原則となっており、退職者にはまとまった収入が入ってくることになります。

自己都合で退職した場合、雇用保険(失業保険)から支払われる手当は給付制限(待期期間が3か月)あるため支給開始日は4ケ月目からとなり、求職活動をしている間の生活を支えるには退職金があると助かります。

病院によっては退職金の準備として、社外積立制度や退職金共済などを利用しているところもありますが、規模の小さい個人病院の場合、雇用形態はパートが多く退職金の制度そのものや規則すらないこともあり、いくら勤務の継続年数が長くても退職金においては意味がないということになります。また、退職金という名目があって正規雇用、常勤であったとしても経営状態や病院長が評価する看護師の貢献度などで支給額が違ってきたりもします。

自分の勤め先、または次の転職先に退職金制度があるかないかということは就業規則などでチェックする必要があるのです。

退職金はお給料の一部と考えてください。ということは、単に退職金がないからよくないという判断には繋がらず、基本給が高額であったりボーナス、夜勤手当がよい、特別手当がある、といった場合には平均年収が高いこともありますので、どのような支給のされ方が自分にあっているかを検討してみるのもよいかもしれません。

退職金の平均・相場

退職理由には、大きく3つあります。

  • 1つ目「定年退職」
  • 2つ目「自己都合」
  • 3つ目「会社都合」

退職金の平均・相場は様々ですが、退職金が多いランキングとして、1位が国立・公立病院。2位は老人ホーム・老人保健施設や介護施設。3位が大手総合病院・企業病院といわれています。私立病院の方が不利のようですが、公立病院と比較して民間病院が必ずしも悪いとは言えません。

詳細については後で述べることにします。

3年以上勤務することで退職金が支給される病院が多いですが、求人案内などを見ていると1年以上で支給となっているところもあります。転職する祭には、こうした点もチェックしてみましょう。

退職金の計算方法もいくつかパターンがあります。

1.基本給×勤続年数

単純に勤続年数分の基本給という計算方法ですが、
自己都合での退職の場合、8割支給という計算になる場合もあります。

2.勤続年数×固定金

固定金(固定額)とは病院側が決めた額となります。

3.基本給×勤続年数×功績倍率

功績倍率(功績係数)とは病院側が決めるものです。
評価がよければ多くもらえますが評価が低い場合は減額されるということになりますね。

4.勤続年数によって決められている

勤続年数によって額が定められているところです。

5.公務員の退職金算出

基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給率)+調整額
勤続年数によって決められているような場合、勤続年数が10年15年20年と長くなるほど、段階的に退職金の設定が高くなっている場合も少なくありません。

看護師に対する求人情報や求人案件は多く、より良い職場(労働条件)を求めて在職中から転職活動をすることもあり一般企業に比べて看護師の離職率は高く、平均勤続年数は4~7年程度といわれています。

自己都合で3年以上10年未満で退職した場合は、色々な算出方法はありますが、平均すると勤続年数×10万程度であることが多いと考えてよいでしょう。
10年を超えた場合、企業・病院・施設によって差が広がってきます。

勿論、病院ごとで算出方法は異なりますが、一般的には基本給与がベースとなって、勤続年数ごとで算出しています。

大学病院や公立病院では、定年退職まで30年以上勤務した場合、1500~3000万の退職金を望めるようです。

公立病院と国立病院の違いについて読んでみる

上記のように看護師の退職金は、勤め先によってピンキリではありますが、平均的な退職金の金額を紹介しておきます。

勤続 3年 20万~30万円
勤続 5年 50万~100万円
勤続 10年 200万~400万円

勤続3年では退職金が出ない病院もありますし、退職金そのものがないクリニックもあり、職場の施設、人間関係や給与面、仕事内容(スキルアップができるかどうか)も看護師の退職理由となっていますが、退職金の有無や支給額も大きな退職の理由となっています。

上記は平均的な金額ですから、転職する際の参考にしてください。当然ですが、今勤めているところを辞めたらもらえる金額ではありません。

また、退職金は計算式通りに支給されないこともあります。

働く以上は退職金の有無は重要なことで、労働者のモチベーションともなるものなので、労働契約書や雇用契約を結ぶ際には、できる限り事前に就労規則の内容や退職金の支給条件について確かめておきましょう。

僅かな日数で支給対象にならなかったり金額が少なくなることがありますので、転職経験のない人は特に退職の日にちのタイミングには気を付けましょう。

働き始めるときに退職金の話はしづらい…という人は、求人誌ではなく看護師転職サイトや求人サービスのサイト、信頼のおける転職エージェント、ハローワーク(求人票に退職金の有無は記載されています)などを利用して確認すると良いでしょう。
なかには、キャリアアップ支援金や支度金がもらえる転職サイトもありますので、ぜひチェックしてみてください。

 

退職金制度のない病院・施設のお勤めの場合の対策

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必ずしも、退職金がないから損という場合はないので、年収との比較をしてまず検討することも大切です。しかし、確実に退職金のないことで不安になる場合も多くあるでしょう。それが理由で転職を検討するということも考えられます。

ですから、退職金制度のないところにお勤めで、将来的なことに不安な場合の1つ目の打開策は「転職」ということになります。

転職サービスを利用し、退職金制度や年収からの視点で情報提供してもいながらの転職をオススメします。

その他の方法は「個人型確定拠出年金」という制度を利用することです。
初めて聞く方、聞いたことがあるけれどきちんと調べたことはなかったという方も多いのではないでしょうか?

退職金制度のない会社に勤める人のために作られた制度で、個人で毎月決まった掛け金を拠出して60歳を超えたら給付金として受け取ることができるという仕組みです。毎月の掛け金は所得税控除の対象になり、老齢給付金については税制面の優遇があるというのがメリットとなっています。

このような制度をうまく利用することで、自分で老後のための貯蓄ができ退職金のような形でまとまった金額を受け取ることができるというわけです。

ただ、このために今の生活が厳しくなるようでは意味がないので、転職なのか個人型確定拠出年金を利用する方が得なのか見極める必要があります。

退職金高額ランキング

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国公立病院(大学病院)

国家公務員ではありませんが、公務員・准公務員扱いとなりますので、長く勤めれば勤めるほど退職金が充実します。
しかし、10年未満の退職となると他との差はあまりないので、退職金を3000万目標と思ったら、定年まで30年以上の勤続年数が必要です。

20年以上の勤続年素がない限り一概に他の病院・施設よりもよいとはいえないかもしれません。

 

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老人ホームや介護施設

老人ホームにも色々あります。高額な退職金制度のある老人ホームは「有料老人ホーム」
少し裕福な高齢者が入るところです。つまりは経営の安定しているところということになります。

 

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大手総合病院や企業病院

こちらも国公立病院同様まとまった額の退職金を望むには、勤続年数が長ければ長いほどよいといえます。
しかし、国公立病院に比べて個人の働きを評価してくれるという場合があることと、企業関連ですと経営母体がしっかりとしていて福利厚生面での充実が人気を集めている場合も少なくありません。

 

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また、看護師の悩みに耳を傾けてくれる転職支援サービスのサイトもあるので、これも必見ですね。

 国公立病院で働くデメリットは?

メリットは、安定した給与体系、福利厚生、ご主人の転勤などで引っ越す際にも国立病院機構の病院であればそのままの地位や基本給料でその地方への転勤が可能、など沢山あります。

では、デメリットは?

国立病院の場合、しいて言えば公務員ではないという事。

信憑性ははっきりとはしないものの、残業の代金がもらいにくいといった不満も投稿されているようですが、公務員と同じく安定した給与体系や福利厚生で待遇面には恵まれています。

県立や市立病院など公立病院で働く看護師は地方公務員という身分です。したがって雇用保険に加入ができず、失業状態になっても失業保険金はありません。また、副業も認められていません。

看護師の守秘義務

病院のいかんにかかわらず、又、退職後にも看護師には守秘義務があります。

違反した場合は守秘義務違反となり処罰の対象となり、退職金も出ない可能性があります。

 

失業保険金について

失業保険金の申請の手続きには勤務先から雇用保険被保険者証と離職票をもらっておかねばなりません。また、失業保険金をもらうためには求職活動をすることが必須条件となっています。

失業保険金を最後まで貰ってしまわないでハローワークの紹介で就職した場合、お祝いとして再就職手当が支給されます。

大手病院ではありえないことなのですが、個人経営の診療所などでは経営状態や何らかの事情で、従業員から徴収した雇用保険料を所轄の機関に納入していない場合が稀にあります。

そのような場合、給料から保険料は差し引かれていても、退職後失業した時にアテにしていた失業手当がもらえない可能性があります。

給料明細など、保険料の支払いをしたことが証明できる書類は必ず保管しておくようにしましょう。