近年増え続けるシングルマザー。その中で看護師の世帯は?
全国の総世帯数が5,011万2千世帯。
そのうち、シングルマザー世帯は、82万世帯で、全世帯の1.6%の割合となっています。
このシングルマザー世帯の82万世帯のうち、特に多いのが、35歳から44歳です。
35歳から44歳のシングルマザーは、55万世帯となっています。
シングルマザー看護師でも状況によって働き方が変わる
シングルマザー看護師といっても、家庭環境によって働き方は違ってきます。
自分の身内である父母や兄弟と同居もしくは、近所に住んでいる場合には、家族を頼る事ができるため、残業や夜勤も可能なことが多いです。
それに比べて、近所に身内や頼れる人がいない場合には、サポートしてくれる人がいないため、残業や夜勤は厳しいです。
各医療機関別おすすめ度
外来は、診療科によって忙しさは違いますが、基本的に定時で帰ることができます。
外来の場合、受付の締め切り時間が決まっており、その時間を超える場合には、受診を断るか、救急外来の受診となります。
定時で帰れる事と、日曜祝日や年末年始も必ず休む事ができるため、シングルマザーに人気の職場です。
夜勤がないため、看護師の平均年収である460万円より低く年収は380万円前後となっており、20代から30代の看護師が多く活躍しています。
透析は、早出や遅出はありますが、深夜勤務がないためシングルマザーでも働きやすい勤務体制になっています。
深夜勤務がありませんが、危険手当などの手当てが充実しているため、年収は高く450万円前後となっています。
ですが、透析患者の場合、長年に渡って病気と関わっているせいか、性格にも癖のある方が多いです。
そのような患者と関わらなければいけないので、気の短い看護師には、不向きな職場かもしれません。
クリニック勤務の場合、午前診と午後診と分かれている職場が多く、午前診と午後診の間は自宅に一度帰る事ができますが、午後診の終わるのは19時〜20時頃となっています。
また、在籍する看護師の人数も少なく、2人〜3人となっているので休みたくても、代わりに働いてくれる看護師がいない場合もあります。
そういった点からも、小さな子供がいる間には、不向きな職場かもしれません。
夜勤やオンコールもないため年収は380万円前後となっていますが、週2回の午後診と日曜祝日は、休みを約束されます。
美容外科の勤務の場合、朝は10時や11時と勤務開始が遅いため、仕事が終わるのは19時〜20時となっています。
また、勤務するスタッフは若い看護師が多く平均年齢は30代です。
美容外科の看護師は、美意識が高いことを求められるため、身だしなみをきちんとしていなければいけません。
夜勤がありませんが、ほかの職場に比べると高収入となっており、平均年収は480万円前後です。
ですが、美容外科の場合、化粧品代の購入などノルマを課せられる場合があるので、入職の際には注意が必要です。
介護施設では、残業や夜勤がないため、シングルマザーでも働きやすい環境です。
ですが、病院やクリニックなどに比べると、医療行為が少なく介護業務がメインとなっているため、医療行為のスキルを磨きたい人には、不向きの職場です。
年収は360万円前後となっており、40代の看護師が多く活躍しています。
訪問看護は、夜勤がなく日曜祝日を休みとしている所が多いですが、オンコールがあります。
そのため、プライベートの時間にいつ電話がかかってくるかわからないため、常に気を抜く事ができません。
また、訪問看護は病状や老若男女に関わらず、求められれば訪問をしなければいけませんので、様々なスキルが必要です。
そのため、キャリアの浅い看護師には不向きの職場ともいえます。
オンコール手当てなどがつくため、年収は400万円前後となっており、40代の看護師が多く活躍しています。
シングルマザーが働くには厳しい医療機関
診療科の中には、シングルマザーが働きにくい所があります。
それは、救急とICUです。この2つの職場はシングルマザーだけではなく、子供がいる家庭にとっては、厳しい職場なのです。
その理由は、1つ目がやはり忙しいことです。
患者の急変リスクが高く、いつ何が起こるか予測が全くできません。
帰る頃に、患者が急変してしまい人手が足りなければ、手伝わなけれればいけません。
また、就業時間内に決められた業務と記録を終わらせる事が難しいため、残業も日常的にあります。
これだけ忙しいので体力的な負担も大きいです。
2つめは、勤務条件に夜勤必須の職場が多い事です。
救急やICUに興味があるシングルマザーの方もいらっしゃると思います。
そんな方の中には、日勤のみなら働きたいと思っている方もいますが、そうはいかないのが現状です。
人手不足もあるので、夜勤を行う事が必須としている職場が多いです。
また、急な早退や欠勤をカバーできる人数を確保できていない職場も多いため、誰かサポートしてくれる人がいなければ、働きにくい環境なのです。
3つめは、常に勉強しなければいけない事です。
日々医療は進歩し、急性期は最先端医療を行なっている現場です。
そのため、機械や治療法や処置法など日々変化するため、プライベートの時間でも、自宅で勉強を行わなければいけません。
とは言っても、デメリットだけではなくメリットもあります。
それは、高給料である事です。
忙しい職場なので、看護師の給料でも基本給の平均が上回りますし、夜勤手当ても加算されるので、かなりの月収になります。
ですので、お金を少しでも稼ぎたい人にオススメの職場とも言えます。
他にこんなところもおすすめ
診療科だけで、シングルマザーにとって働きやすい環境であるとは、一概にも言えません。
勤務する職場自体が、シングルマザーにとって働きやすい環境が整っているのかも判断しておくべきなのです。
公的医療機関の場合、看護師は準公務員となり、公務員と同様の扱いになるので福利厚生も恵まれます。
次に保育所の問題。
総合病院で託児所付きのところがあります。
子供が病気や怪我をしたら職場を早退や欠勤しなければいけませんが、託児所の場合、保育所ほど厳しくなく、ある程度の病気や怪我の場合は、様子を見てくれます。
また、勤務先の病院内に小児科がある場合は、小児科の受診もさせてれますので、安心です。
また、寮が完備されていたら住居費を節約することができますし、子供が3歳なるまでは、時短勤務や残業の免除、フレックスタイム制度なども導入している職場もあります。
このように、診療科だけで職場を選ぶのではなく、福利厚生などが整い働きやすい環境であるかも情報を得ておく必要があります。
看護師は様々な控除をうけられるのか?
看護師は、シングルマザーの中でも収入の多い職業の一つなので、控除を受ける事ができないと思いがちですが、看護師のシングルマザーでも受けることのできる控除があります。
代表的なものが下記の4種類です。
・児童手当
0歳から15歳の児童1人に対して、5千円から1万5千円を市町村から支給されます。
・児童育成手当て
児童1人に対して、月額13,500円を市町村から支給されます。
・住宅手当て
居住している市町村によって、支給額は異なり所得制限を設けているところもあるのですが、家賃が月額1万を超えている場合に支給されます
・こども医療費助成
小学3年生から中学3年生の子供を対象にした医療費助成制度で、市町村によって助成金額が違います。
上記以外にも、母子家庭向けに特化した補助金や育児手当などは、色々あるのですが、看護師は給料が高いため、助成金や控除の対象外の場合が多いのです。
年収が204万円以上になると控除や補助除外されるため、看護師のシングルマザーが受けることのできる控除は少ないのです。
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