口腔ケアを行う目的は、なんなのでしょうか?

口腔ケアを行うことで、口腔内を清潔にすることができます。

口腔ケアの目的とは

口腔ケアを行い、口腔内を清潔にする事で唾液が出やすくなり、結果口腔内の細菌が減っていきます。

口腔ケアを行う事は、全身の健康維持にも繋がっていくという事です。
口腔ケアを行うことで、発熱の予防や誤嚥性肺炎予防、心臓病の予防、糖尿病予防、認知症の予防になります。
神奈川歯科大学の研究発表によると、なんでも噛める人とあまり噛めない人では認知症の発症リスクが1.5倍だそうです。 口腔ケアを始める前に、看護師が注意する事として声かけや説明が大切になってきます。
なぜ行うのか?

意味もわからずにやるのとでは効果も違ってきます。
また、利用者に合わせた開口誘導や開口保持を一緒になってやっていくことも大切です。
看護師は、口腔内の観察、例えば口内炎ができているとか口腔内の状態や義歯があっていないなどといった観察が大切な事で、常に把握する事が必要になってきます。

口腔ケア

次に口腔ケアをどのようにするかをまとめてみたいと思います。

口腔ケアでは、口腔機能訓練をし咀嚼能力や嚥下能力を高めていく事が大切な事です。
口腔機能訓練には、嚥下体操、唾液腺マッサージ、パタカラ体操などがあります。
これらは、食事の前に行う事が効果的だと言われています。 施設にもよると思いますが、口腔ケアは食事の前に行う事が効果的だと言われているので、利用者さんが食事前に食事をするスペースで集まった時に口腔ケアを行います。

看護師や介護者が利用者さんを誘導しながら指導します。
まず、食事をするスペースに皆さんに集まってもらいます。
利用者さんが気分よく口腔ケアが行えるよう、雰囲気作りが大切です。
世間話から入り、その後口腔ケアを行う事を説明し、なぜ必要なのかを利用者さんにし説明し理解してもらいます。
では、口腔機能訓練を具体的にどのようにしていくのか一つずつ見ていきましょう。 嚥下体操についてです。
嚥下とは飲み込みのことを言います。

嚥下は、舌、口周り、首などの筋肉を使って、食べ物や飲み物をのどの方へ送り込む働きをします。
また、のどを通過した食べ物をさらに食道へ送り込む働きをもしています。
嚥下体操は、嚥下するのに必要な筋肉のトレーニングをし鍛える体操です。
嚥下体操が大切である理由は、誤嚥を予防する事が出来るようになります。
誤嚥とは、なんでしょうか?
食道に行くはずの飲食物が、誤って気管へと入り込んでしまうことを誤嚥と言います。
食べ物やだ液に含まれる細菌が原因で誤嚥することがあると言います。

誤嚥すると、誤嚥性肺炎を引き起こすこともあるのです。

そのため、口腔ケアを行う事で細菌を減らし、誤嚥を予防する事ができるのです。
嚥下体操により口や頬などの筋肉を動かすことで、だ液がよく出るようになります。
毎日体操をしていると、筋肉も鍛えられてくるので飲み込みの能力も鍛えられます。
そのため、毎日継続して体操をするというのが大切な事です。 利用者さんに説明し理解してもらった後は、実際に体操をします。
看護師や介護士が一番前に立ち利用者の皆さんが見える位置に立ち 、首を曲げる体操をしていきます。
利用者さんに声かけしながら、一緒に体操してもらいます。
はじめに首の体操です。
首を横に曲げたり、前や後ろに曲げたり、ぐるっと回したりします。 次に肩の体操です。
肩を上にあげたり、肩をストンと落とすように下ろしたりを繰り返します。
両肩グルグルと回してもらいます。
また、両手をあげたり、下ろしたりを繰り返しします。
手の指の体操をします。
両手をグッと握りこぶしにしてもらい、ギュッと力を入れてもらいます。
次に、力を抜いて手をパッと開いてもらいます。それを数回繰り返し行います。
次に、数を数えるように、一、二、三、四と指を閉じていく体操をします。
数えながら閉じていったり、開いたりと体操します。 唾液腺マッサージについてです。
唾液腺マッサージとは、唾液腺と言う唾液の出るポイントが3カ所あります。
そのポイントをマッサージすると、唾液が出やすくなり、口腔内を食事がしやすい環境を作ることができます。 実際にマッサージ利用者さんと一緒にしていきます。
最初にポイントである耳下腺のマッサージです。
両手で耳のしたのところを円を描くようにぐるっと指で押さえていきます。

5回ほど繰り返し行います。
次にポイントである顎下腺のマッサージをします。
両手を使い、顎の下あたりを顎に沿ってゆっくり指で押さえていきます。
これも5回ほど繰り返し行います。 パタカラ体操についてです。
食べ物をのどの奥まで運ぶ、動作を鍛えるための体操です。
「パ」「タ」「カ」「ラ」と発音することで、筋肉を鍛えます。

パタカラ体操を行い筋肉が鍛えられると、唾液分泌を促進する、噛む力や飲み込む力の向上する、発音がよくなる、入れ歯が安定するなどの利点があります。 利用者さんに説明が終わったら、実際に体操をします。
このパタカラ体操は、発音する事が体操になるので、大きな声で発音しましょうと声かけします。
まず、パタカラの『パ』を大きく口を開けて大きな声で、5回ほど発音してもらいます。
順に『タ』、『カ』、『ラ』も同じように5回づつ発音してもらいます。
最後に『パ・タ・カ・ラ』と続けて発音してもらいます。
これも同じように、5回ほど発音してもらいます。 体操やマッサージを毎日継続的に行う事で、口腔内を清潔にし 細菌を抑え健康維持が期待できます。
また、食事の際にも誤嚥防止などの効果がありますので、毎日続けていく事が大切な事です。
面倒に思う方もみんなと一緒に行う事で、楽しみながらできるのではないでしょうか。
看護師も一緒になって行うこと、利用者に寄り添っていくことが大切な事です。
マッサージや「パタカラ体操」も、もちろん有効ですが、最も代表的な口腔ケアがブラッシング。
正しいブラッシングを身に付けて患者さんの口の中を綺麗にすることも重要なポイントですね。
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