看護師の職場には重篤な症状を抱える患者もいます。良く知られているはICUですが、NICUというのもあります。NICUは新生児集中治療室の略称で、大学病院や産婦人科なら必ずあるというものではなく、新生児科がある病院に設置されています。新生児のための病棟で、正常分娩でも標準より小さかったり、予定より早く生まれた超低出生体重児が入院します。また、染色体異常、先天性心疾患、外科疾患など健康異常が発見された新生児も入院しています。設備として、呼吸器、心電図モニター、点滴静脈注射装置などがあり、新生児が正常に成長できるように24時間体制で見守りをします。NICU内は各病室に分割されているのではなくワンフロアになっています。新生児は専用の保育器のなかで細菌感染などがないように厳重に管理されて必要な医療措置を受けています。

NICU担当になった看護師は、新生児の健康状態を見守るだけではなく、家族のケアも大切な仕事です。ICUと同様に集中治療室にいる間は赤ちゃんに自由に会うことができません。厳重に管理されているため、家族は決められた面会時間に垣間見るのがせいぜいです。ただ、産婦人科の中には、母親と同室にしているところもありますが、ほとんどの場合、別室に離れ離れになっています。そのため、看護師は母親や家族に赤ちゃんの様子を伝えて、不安や心配を取り除くよう心のケアをすることが求められます。

求められるスキルは、一般の看護師よりも高いと言えます。成人と比較するとすべてが小さくはかないので、採血や点滴装置の装着も慎重にかつ的確に行わなければならないので、担当している看護師はベテランが多いです。配属された場合には、スキルの高さが認められたと考えてよいでしょう。職場の特徴として、夜勤や急な呼び出しが多いということがありますが、小さな命を守るためならどんなに忙しくても、看護師として働き甲斐があると、配属を希望する人は多いです。