高齢化社会の現在、「介護」や「施設」という言葉をよく耳にするようになりました。

しかし、その詳細はあまり知られていません。ここでは、「介護老人保健施設」について分かりやすくご説明していきます。

老健とは、介護老人保健施設

よく老健という言葉を使うかと思いますが、老健の正式名称は介護老人保健施設と言います。

「介護老人保健施設」

介護老人保険施設に入所するためには、要介護1以上の65歳以上の方でリハビリを必要としている方が条件となっています。

自宅へ帰れる状態になるまで、医療ケアやリハビリを行います。

ただし、介護老人保健施設は一生入所することができない施設ですので、3ヶ月ごとに入所継続が必要か判定を行い条件に満たない場合は退所しなければいけません。

「特別養護老人保健施設」

特別養護老人保健施設は、疾病はあるが入院して治療する必要はない方や、病状は安定しているけれど自宅での介護が困難という方が入所する施設です。

入所するための条件としては、特別養護老人保健施設は以前まで要介護1以上であれば入所できましたが、法律が改正され平成27年4月以降の新規の申込者に関して要介護3以上の方しか入所の申し込みができなくなりました。

また、特別養護老人保健施設の最大の特徴としては、終身まで入所を続けることが可能ということです。

「介護老人保健施設の体制と設備」

介護老人保健施設では、2種類のタイプがあります。

1つは、大部屋で構成された従来の老人ホームタイプと2つめは、全室個室になっているユニット型の2種類となっているため、希望に沿ったタイプを選べます。

入居者数に対して看護職員・介護職員の数は3:1と決められていますし、常勤の医師の他にも同じ理学療法士や作業療法士などのリハビリスタッフも在籍しています。

入所中には、リハビリ・レクリエーションを行いますし、食事や入浴などの日常生活ケアを24時間体制で受けられる事ができ、リハビリを進めて帰宅を目指すための体制が整っています。

「介護老人保健施設での看護師の役割」

介護老人保健施設での看護師の役割としては、入所者の健康管理に関する全ての観察、ケア、処置を行うことです。

バイタル測定をはじめとする全身状態の観察をし、異常の発見に努めます。急変時には、医師の指示のもと対応をします。

また、服薬管理、軟膏塗布、褥瘡ケア、吸引、口腔ケア、入浴介助、食事介助、排泄介助、バルーン管理、胃瘻管理など入所者に必要なケアや処置を行います。

施設によっては、介護業務は介護士のみが行うところと、介護士と一緒に看護師も行うところなど様々です。

また、レクリエーションや行事にも看護師の参加を求める施設もあります。

「介護老人保健施設の夜勤」

介護老人保健施設での夜勤は、夜間に急に入所するということもないですし、治療・処置がほとんどなく急変も少ないため夜間は、比較的落ち着いています。

といっても、夜勤を行うにあたってはデメリットもあるので、メリットばかりではないことを、頭に入れておくことが必要です。

1点目は、夜間は医師が不在ですし、夜勤の看護師は1人ですので、緊急事態への対応は、看護師1人で行わなければいけません。

2点目は、処置や治療がほとんどないため介護ケアが多く体へ負担が予想以上にあることです。

3点目は、基本給や夜勤手当が低いため夜勤回数が多くても、同じ回数夜勤に入っても、他の病院勤務より給与低い傾向にあります。

介護老人保健施設の場合、処置や治療も少ないためキャリアが浅くても務まると思いがちですが、臨機応変な対応を求められることも少なくないことから、老健の夜勤には、ある程度病棟経験を積んだ看護師が向いているといえます。

「夜勤するにあたってチェックしておきたいこと」

夜勤をする前に、どれぐらい負担が自分にかかるのか頭に入れておく必要があります。

まず、人員配置では、夜間帯にワンフロアーに介護士2人と看護師1人の3人で対応します。

ワンフロアーの人数は、入所者の病状やADL自立度によって違いますが、40人から60人の方が入所しています。

看護師の役割としては、入所者の全身状態の観察と異常の早期発見ではなく、介護士への指示や指導、急変時の対応も行う必要があります。

夜勤回数は、施設によっては異なりますが、常勤の場合、月に3回から5回程度となっています。

「介護老人保健施設で働くことのメリット」

介護老人保健施設で働く際には、メリットとデメリットがあります。まずは、メリットについてからです。

1、常勤医師がいるため、困ったときは相談できる。

2、入所者が徐々に自立していく過程に関われ、少しずつ元気になる姿をみることで、やりがいを感じることができます。

3、施設そのものの雰囲気が明るい所が多い。

4、急変リスクが低いため、突発的な問題は比較的起こりにくく看護師が残業するというケースはあまりありません。

また、看護師がフルタイムで働くことは少なく派遣やバイトの雇用が多いのです。

5、夜勤手当がつきますので、他の介護系の施設に比べると回数が増えるほど給料面はアップします。

「老人介護保健施設で働くことのデメリット」

次にデメリットについてです。

1、看護師と介護士との仕事の分担や境界線を引くのが難しく、看護師が介護業務を行わなければいけないことが多いので、看護職としてのやりがいを感じにくい。

2、夜中にオムツ交換やトイレ介助、コール対応を行うため、仕事の量としては少なくはない。

3、介護施設なので72時間ルールは適用されないため、施設によっては、月に5回以上の夜勤を行わなければいけないこともある。

このように夜勤を行うことは、看護師への負担が多いため、看護師の負担を軽減するためには、介護士の育成に力を入れることが必要です。

また夜勤の回数が多く負担がかかる場合には、施設長に相談し夜勤回数を減らすように交渉してください。

このように介護老人保健施設で働くことは、決して楽なことばかりではないかもしれませんが、ご高齢の方々が自立して元気になっていくのをお手伝いできるという、とてもやりがいのある仕事でもあります。

看護師の仕事の一つの選択肢として、お考えください