公立病院とは?
公立病院とは、別称として自治体病院とも呼ばれ、地方自治体が経営を行う医療機関のことを指します。
国立病院とは?
国立病院とは、厚生労働省が経営を行う医療機関等の施設のことを指します。なお、2004年に国立病院・療養所が独立行政法人国立病院機構へ移行したことに伴って、現在はほとんどが独立行政法人となっています。
厚生労働省の統計(医療施設動態調査)では、国立病院(病院と診療所の合計)は全国に864施設あります(平成27年1月末概算)。
公立病院と国立病院の違いとは?
公立病院と国立病院では、その運営母体に大きな違いがあります。
先述したように、公立病院は別称として自治体病院と呼ばれているように、地方自治体が経営しています。
公立病院の範囲としては、どこまで含めるかにもよってきます。まず、最初に思い浮かぶ名称としては、「○○県立病院」とか「○○市立病院」などという名称の病院です。こういう名称の病院を、皆さんも見たことがあるかもしれませんが、このような名称の病院は公立病院です。
その他にも、地方独立行政法人へ移行した医療機関や、こうりつだいがくほうじんにせっちされている医学部の附属病院も公立病院に含められます。
国立病院は、先述したように厚生労働省が運営母体となっている病院のことを指します。ただ、2004年には独立行政法人国立病院機構へ移行しているため、厚生労働省が運営母体の病院・診療所は一部のみとなり、ほとんどは独立行政法人化しています。
その他に、独立行政法人化している組織としては、独立行政法人労働者健康福祉機構、独立行政法人地域医療機能推進機構があります。その他にも、国立高度専門医療研究センターや国立大学法人に設置された医学部の附属病院も国立病院に含まれます。
働いている看護師さんの違いを説明
まず、公立病院の場合ですが、県立や市町村立病院であれば、地方自治体(都道府県もしくは市町村)の首長に雇用されることになります。県立や市町村立の病院に勤務している場合、もしくは三重県立総合医療センターや、山梨県立病院機構のように特定地方独立法人であれば、その身分は地方公務員です。
次に、国立病院の場合ですが、厚生労働省が運営母体となっている病院であれば、国家公務員になることができます。しかし、国立高度専門医療研究センターや国立病院機構については、非特定独立行政法人に移行したため、現在では非公務員となり、国家公務員としての扱いではなくなっています。
国立と公立どっちがおすすめ?
公立病院に務めることの第一のメリットは、県立や市町村立病院であれば公務員としての身分が保障されることです。病院の採用試験はありますが、公務員試験を受けなくて済む利点があります。
また、福利厚生や教育体制・学習環境が充実していることもメリットで、勉強会や研修の機会も多いので、看護師としてのスキルアップも図りやすい環境にあります。特に新卒採用であれば、人数も多いので、お互いに励ましながら勤務できる点、長く勤めると給与面でも有利になりやすい点もメリットでしょう。
その他、公務員扱いの場合、副業禁止規定が厳しいという点があります。隠れて副業をすると懲戒事由となるので、注意しなければなりません。
国立病院機構で働くメリットは、給与や福利厚生の良さです。国立病院機構では、毎年昇給するので、5年働くと確実に年収500万円を超えます。看護師長や看護部長になると、700万円~800万円以上も視野に入ります。
国立病院機構等では、身分は非公務員ですが、その福利厚生は国立病院・国立大学時代のままなので、福利厚生は充実しています。また、民間病院と比べて経営も安定しているので、まず倒産する心配はありません。
ただ、国立病院機構などは、非特定独立行政法人なので、公務員ではありません。しかし、給与や福利厚生、安定性は公務員に準じるので、公務員にこだわりがなければ、働きやすい環境といえます。
公務員にこだわるのであれば公立病院ですが、公務員にこだわらないのであれば、国立病院の方が働きやすいのではないでしょうか。
国公立の病院に転職する方法とは?
国公立病院に転職するための方法としては、特別にしなければならないことはありません。基本的なやるべきこととしては、民間病院に勤務している時にやっていたこととほとんど変わりありません。
その他、国立病院機構であれば、各地区で看護師の募集が行われていることもあります。一度チャンスを逃してしまうと、また長い間待たなければならない可能性も。病院や国立病院機構のHPもしっかりとチェックしておいてください。