看護師は、人気の高い職業の1つです。しかし、看護師の人数から考えると、約10万人の看護師が離職していることになります。しかし、こちらの看護師の年収事情と年収カーブ|転職の方が年収アップに繋がるの記事でも書いてる通り同じ病院にいても看護師の給料は大きくは上がりません。今は売り手市場となっていることもあって、高収入の病院に転職する事が一番のチャンスとなっています。
そこで、看護師の離職率とその理由について、求人の多い科目や職種とその理由について考えてみたいと思います。
看護師の離職率について
公益法人日本看護協会が実施している、「2014年 病院における看護職員需給状況調査」によると、常勤看護師の離職率が11.0%、新卒看護師の離職率が7.5%となっています。常勤看護師の離職率は、2009年から2014年まで11.0%前後で推移しており、新卒看護師の場合は2009年から比べると改善傾向にあり、この3年は7%台で推移しています。
離職率は、常勤・新卒とも東京都や神奈川県、大阪府や兵庫県といった大都市圏でより高くなり、地方では低くなる傾向にあります。また、病床規模では小規模病院ほど離職率が高くなり、大規模病院ほど離職率が低くなります。設置主体では、常勤では個人経営と医療法人、新卒では個人経営と一般社団などのその他法人で離職率が高くなっています。
離職率低下の要因
看護師は女性が95%を占めており、結婚や出産といったライフイベントとともに、夜勤などの勤務に関する負担の大きさが離職するきっかけになっています。それでも、この数年離職率が少しずつでも改善傾向にある理由としては、下記の要因が考えられます。
・ 労働環境の改善
特に病棟では、職員が看護師だけであれば、どうしても日常の雑務も看護師が行わざるを得なくなります。必然的に雑務に取られる時間が多くなり、残業も発生しやすくなるという悪循環になりがちです。
そこで、多くの病院では看護助手の増員や、他職種との連携を強化することで環境の改善を図る病院が増えています。
・ 夜勤状況の改善
病棟勤務の看護師にとって、夜勤は避けて通れない問題です。看護協会では常勤看護師の夜勤を月72時間以内とするよう通達を出していますが、夜勤専従看護師のいない病院では、常勤看護師が72時間以上夜勤をしているケースも多く見られます。
実際、一ヶ月の夜勤時間が72時間を超える看護師の割合が多くなるごとに離職率も上がり、夜勤時間72時間超の看護師が50%以上になった場合、常勤の離職率が12.9%、新卒で8.4%と平均を上回る結果となります。
こうした状況を、夜勤専従看護師を増やすことで改善しています。
その他にも、実労働時間の短縮や常勤以外の勤務形態の多様化、各勤務時間隊の勤務時間割り振りの見直しなどにより、看護師の確保に動いています。
今が転職のチャンスである理由
少しずつ看護職員の充足ができつつあるとはいえ、まだ看護師の絶対数が不足している状況は変わりなく、平成26年度でも約1.5万人不足していると言われています。現状、看護師は病院に勤務している人が7割を占めていますが、高齢化に伴い、医療機関だけでなく介護支援施設などでも看護師を必要とする施設が増加しています。
また、病院の場合は2006年に看護師の配置基準として、7対1の基準を満たした病院に診療報酬を高く設定する診療報酬体系を導入して以来、多くの病院が7対1基準を満たすべく看護職員の確保に動き出した背景も要因の一つにあげられます。
病院や施設側でも、看護職員の必要数を確保するための対策を講じているので、看護師の需給が改善される可能性があるものの、高齢者が増加すれば、まだまだ看護師が必要となる職場も増えるかもしれません。
求人の多い科目・職種とは?
看護師転職サイトの大手でもある、看護roo!、ナースではたらこ、ナース人材バンク、看護のお仕事で調べたところ、診療科目で見た場合、下記のようになりました。
第1位 一般内科
第2位 皮膚科、皮膚泌尿器科、泌尿器科
第3位 総合病院
まず、内科の求人が多い理由は、日本の病院の中で「内科」を標榜している病院が多いことにあります。平成25年度における活動中の医療施設は、全国に177,769施設あり、いわゆる特定機能病院や地域医療支援病院を除いた一般病院は、全国で7,474施設あります。
その中で、内科は6,879病院あり、約92%の病院で内科が設置されていることになります。最近では、呼吸器内科や循環器内科、糖尿病内科などのように、専門分野ごとに細分化されつつありますが、そうした細分化されたものも含めて内科病院の求人はその数も多くなる傾向です。
次に皮膚科の求人が多い理由としてあげられるのが、働き方の多様性です。皮膚科は総合病院などの診療科の1つにもあげられます。また、美容関係の診療科にも美容皮膚科という名称で設置されていますし、その他にも各種クリニックも多く開院されています。
クリニックの場合、ほぼ100%日勤の職場のため、パートなど短時間勤務も可能な場合が多く、子供が小さくて仕事に時間を取れない看護師に来てもらいたいというニーズと合致して、求人数も多くなっています。
3番目に求人が多かったのが総合病院です。総合病院の場合、外来患者さんも多いですが、入院患者さんもそれなりの数います。総合病院であれば、200床以上の比較的規模の大きい病院が多いため、病棟・外来とも看護職員を確保しておく必要があります。
そのため、特に病棟では、常勤として日勤・夜勤ともできる看護師や、看護師の労働環境を改善するために、夜勤専従看護師など様々な勤務体系を用意することで看護師を確保しようとする動く病院が多くなっています。
確実に看護技術を身につけておきましょう
今は、まだ看護師の需要の方が上回っていますが、少しずつ看護師の人数も充足しつつあります。高齢化に伴い病院以外でも看護師を必要とする職場が増えているとはいえ、数年後には供給過多になる可能性もないとはいえません。
そうなると、看護師がリストラされる可能性もゼロとは言えなくなってくるので、まだ看護師が不足している今のうちに、どこでも通用するようなキャリアを残すとともに、確実に看護技術を身につけておく姿勢が大切です。
参考
2014年 病院における看護職員需給状況調査
http://www.nurse.or.jp/up_pdf/20150331145508_f.pdf
看護師の離職率を徹底リサーチ!
http://j-depo.com/news/post-551-551.html
看護師の求人・転職サイト【看護roo!(カンゴルー)転職サポート】
http://kango.919.co.jp/
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