採血とは
採血の目的
医師の指示の元、患者の体内機能の状態や経過を診るため、又は病気の有無の診断のために必要な採血をおこなう
静脈採血の方法
1)採血のオーダーの確認
採血は医師の指示の元、医師の指示通りに行なわなくてはいけません。
そのため、カルテと医師の口頭指示を確認し、誰に(患者名)、何のために(目的)、何を採血するのか(採血項目)を確認します。
2)採血の準備
採血に必要な物品を揃えます。
1.シリンジもしくは真空管ホルダー
2.翼状針もしくは真空管針
3.スピッツ
4.アルコール綿
5.駆血帯、テープ
6.針の廃棄ボックス
3)採血の実施
1.患者を呼ぶ
名前間違いがないように、患者の口からフルネームを言ってもらいカルテの氏名と確認します。
2.採血の目的を伝える
あらかじめ医師より説明を受けていますが、再度、患者に何のためにどのような採血をおこなうのか説明をおこ ないます。
3.採血準備
シリンジに翼状針をセット(真空管に真空管針をセット)し、駆血帯やアルコール綿、テープなどを自分が取りやすい位置にセットします。
4.患者への準備
両腕を確認し、採血する血管を選択します。
注意)
採血する部位は、
①橈側皮静脈
②肘正中皮静脈
③尺側皮静脈のいずれかで、神経損傷のリスクが極力低い場所を選択します。
他には、血管の太さや弾性、深さを考慮して血管を選択しますが、同等の血管が両腕にある場合は、神経損傷のリスクを考慮して、利き腕とは反対側を選択します。
肘に採血できる血管がない場合は、前腕か手背の血管を考慮しますが、手首の橈側静脈付近は、橈骨神経が走行しているため避けます。
他には、アトピーなどの皮膚炎や火傷など皮膚損傷部位や感染、血腫がある部位は避ける、乳房切除をおこなった側や麻痺がある側、透析用シャントがある側、点滴をしている患者には点滴をおこなっている側は避けます。
5.駆血帯の準備
駆血帯は、採血部位の10cm程度上にまきますが、強すぎると鬱血やしびれ、出血斑を引き起こすため注意します。
駆血する時間は、1分以内が適切です。
血管が細く採血が難しい場合は、駆血帯をする前に手首から肘の方向にマッサージをしたり、人差し指と中指で軽く血管を叩き怒張させると採血しやすくなります。
もしくは、温かいタオルで採血部位を温めると血管が拡張します。
手をグーパーさせるクッチング動作はカリウム値を上昇させるため避けます。
6.消毒
アルコールでアレルギーやかぶれの経験がないかを確認後、アルコール綿で採血部位の中心から外側に向かって、円を描くように消毒します。
検査結果に影響するため、必ずアルコールが乾いてから穿刺します。
※アルコールでかぶれやアレルギーがある患者には、ベンザルコニウム(ザルコニン)など代替で消毒をおこないますが、乾きにくいので注意します。
7.穿刺
患者に肘を上に向け、親指を中に入れてにぎってもらいます。
採血することを伝え、利き腕とは反対側で、穿刺部位の3~5cm下を伸展させ、利き腕で針の刃面(鋭角側)を上に向けて針を持ちます。
血管の走行に沿って15~20度の角度で刺し、血管に3mm程度針を進めます。
静脈に確実に針が入ってことを確認したら、さらに5mm程度針を進め採血をおこないます。
針が入ったら、患者は手開いて楽にしてもらいます。
真空管の場合は、スピッツを刺すことで必要量、血液が取れますが、シリンジの場合は、必要量をスピッツの内筒を引いて採血します。
8.駆血帯、針をはずす
針は刺入させたまま、駆血帯を先にほどきます。
続いて針を抜き廃棄ボックスに破棄、穿刺部位は消毒綿で圧迫止血をおこないます。
止血確認後テープを張ります。
採血のリスクと注意点
1)患者や採血スピッツなどの間違い
確認不足によって、採血をおこなう患者を間違えたり、必要な採血項目を間違えたり、採血本数を間違えたりすることがあります。
必ず2名以上で確認し一つ一つの手技を丁寧におこなわなければいけません。
2)神経損傷や血腫のリスク
採血する血管の選択や針の刺入角度、不慣れな手技などで損傷をおこすリスクがあります。
慣れない間は、確認と練習を重ねて経験を積みます。
また、経験があっても損傷のリスクはゼロにはなりません。
常に危険性を意識することが大切です。
3)採血結果に影響が出る手技
採血時間(食後、入浴後、運動後など)やアルコール綿の消毒薬、クッチング動作などによって採血結果に影響が出ることがあります。
時間や手技の確認を十分におこないます。
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