腰椎圧迫骨折の看護
整形外科を受診する老人の中で、多い疾患の1つである圧迫骨折ですが、症状は人によって違ってきます。
特に感じる強さの痛みは、個人差があり激痛で自分で体位変換できない方から、痛みをあまり感じないため、数ヶ月もしくは数年後にレントゲンを撮った際に、圧迫骨折の跡があって気づくといった場合もあります。
圧迫骨折の知識を増やした上で、看護に活かせて頂ければいいなと思います。
では、圧迫骨折についてお話ししていこうと思います。
圧迫骨折とはどんな病気?
圧迫骨折とは、名前の通り骨自身に圧迫することで起こる骨折のことです。
骨折と聞くと、体の外かしらの衝撃を受けなければ骨折しないと思いますが、この圧迫骨折の場合、外側からの衝撃だけではなく普段の生活を送っているだけでも起こる骨折なのです。
圧迫骨折が起こる原因
圧迫骨折が起こる原因としては、やはり骨がもろくなっていく骨粗鬆症が挙げられます。
加齢と共に骨はもろくなり、そして体を支えきることができないため骨同士がぶつかり合い、椎体が潰れてしまうことで圧迫骨折を起こしてしまうのです。
圧迫骨折が起こりやすいのは、骨粗鬆症のリスクが上がる時です。
骨粗鬆症は、60代女性の50%、70代女性になると70%以上の方が骨粗鬆症になると言われています。
ですので、60代以上の女性は、骨折が起こらないように予防していくことが大切です。
腰椎圧迫骨折の症状
腰椎圧迫骨折の症状としては、疼痛がメインとなってきます。
じっと臥床していれば疼痛は感じませんが、少しでも体を動かすと激痛が走ります。
ですが、圧迫骨折が進行すると椎体の骨が脊柱管内に突き出してしまい、椎体の骨が神経を圧迫します。
そうなると、体動時の痛みだけではなく、安静時の痛みの出現や、痺れも起こってきます。
腰椎圧迫骨折の治療には大きく分けて2種類あります。
1.保存的療法
2.手術療法
保存的療法
1つは、保存的療法で、圧迫した骨がくっつくまでコルセットを使用し待ちます。
もちろん、痛みに関しては鎮痛剤の使用をし、骨粗鬆症の対策としては注射や内服加療を行います。
手術療法
2つめは、手術療法です。手術療法が適応となるのは、鎮痛剤を使用しても痛みが軽減しない場合と、脊椎が変形しまった場合に手術療法が検討されます。
ですが、1度圧迫骨折を起こすとまた、違う場所で圧迫骨折を起こす危険性がありますので、神経症状の出現などしないと手術はあまり行いません。
では、腰椎圧迫骨折の患者さんに対する看護ではどういった内容に気をつければ良いのかについてお話ししていこうと思います。
腰椎圧迫骨折の患者さんに対する看護の注意点
腰椎圧迫骨折の患者さんの場合、メインの症状としては体動時の痛みです。
これは、体位変換でもベットのギャッジアップでも出現します。
ですので、コルセットがある場合は、必ずコルセットを装着してから介助するようにしてください。
また、コルセットがまだ出来上がっていない時は、ベット上安静の指示があります。
その際には、医師の指示で決められた安静制限を守って食事介助や保清を行うようにしてください。
基本的には、腰椎圧迫骨折の患者さんに対しては身体介助がメインとなってきます。
体位変換・移乗・保清・食事介助といった内容です。
身体介助がメインであるので、体動の際には痛みが出現する可能性が高くなります。
患者さんのペースに合わせながら、痛みが出現しないように介助することが大切です。
腰椎圧迫骨折患者さんの看護は、痛みの観察しながら身体介助を行うだけではないのです。
腰椎圧迫骨折は、進行すると、神経症状が出現する可能性が高くなります。
神経症状の内容としては、痺れの出現や歩行障害、便や尿の失禁です。
もしも、入院時にこのような症状がなかったのに、出現するようであれば医師に報告し指示を仰がなければいけません。
腰椎圧迫骨折を起こした患者さんは、再び圧迫骨折を起こす可能性がとても高いです。
その理由としては、圧迫骨折を起こしてしまう原因である骨粗鬆症です。
骨粗鬆症を完治させることは難しく、骨を強くするために内服加療もしくは注射を定期的に行わなければいけません。
ですので、腰椎圧迫骨折を再び起こさせないようにするために、薬物療法の必要性の説明が必要です。
腰椎圧迫骨折かな?と思ったら
では、どのような症状が出てきたら腰椎圧迫骨折を疑えば良いのでしょうか。
そのポイントをいくつかご紹介したいと思います。
・臥床しようとした際に腰に激しい痛みを感じた。
・腰にこむら返りのような突っ張った痛みを感じた。
・腰の痛みを感じた際に、脂汗も出ている。
といった内容です。
このような痛みが出現した際には腰椎圧迫骨折を違う必要があります。