精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しています。

うつ病患者と看護師

厚生労働省の調査によれば、平成23年で患者数は320万人を超えており、その中でもっとも多い割合を占めるうつ病患者は、100万人とも言われています。

テレビ番組でうつ病や、うつ病を原因とした自殺が取り上げられることも増え、精神科に受診する人も多くなってきました。

精神科や心理学に興味を持つ看護師の数も増えていて、転職先としての注目も高まっています。

では、実際に精神科の看護師はどんなお仕事をしているのでしょうか?

必要になるスキルや勤め先の選択肢もあわせて見ていきましょう。

精神科での仕事と看護スキル

精神科の患者さんを看る上でもっとも重要になるのは、患者さんとの根気強いコミュニケーションです。

他の病気のようにレントゲンや採血といった処置を行うことはなく、したがってそのような検査の結果や数値に頼ることができません。

精神疾患の患者さんは自分の症状をうまく伝えられない場合も多く、精神状態によってまったく違うことを話すケースもあります。

ですから、精神科で働くためにはそんな患者さんのわずかな心の変化を観察し、そこから察することのできる高いコミュニケーション能力が求められます。

コロコロと変わる患者さんの精神状態に振り回されない強い心、粘り強さや忍耐力も大切な資質になります。

中には、暴力的な発言や行動に走る患者さんもいます。

時には暴言を聞き流し、暴力を抑止することも必要です。

女性の腕力では抑止できない場合があるので、男性看護師が活躍する職場でもあります。

また、精神科の主な治療方法は投薬です。

薬の効果や量を気にする患者さんが非常に多いので、薬に関する詳しい知識を持っている必要があります。

精神科の勤務先

精神科の勤め先には「クリニック」「総合病院の精神科」「精神病院」「精神訪問看護」があります。

入院施設があるところには、「慢性期病棟」と「急性期病棟」が設けられている場合が多いです。

「慢性期病棟」や「精神訪問看護」でじっくり患者さんと向き合う看護に取り組んだり、「クリニック」で夜勤のないワークスタイルにするなど、自分に合った職場を探してみましょう。

転職サイトへに登録し、まずは病院見学をしてみるのもおすすめです。