景気動向には関係なく、ほぼ100%就職できること、安定した収入が得られることなどが理由で、最近では社会人経験者が看護師に転職しているケースが多くなってきたといいます。実際社会経験のある看護師では、一般常識はもちろん接遇面でも安心でき、コミュニケーション能力もすぐれている人も多く病院側からも評判は良いとされます。しかし相当な決意で看護師学校に入りつらい実習や勉強を頑張って来たのに、いざ病院で看護師として働き始めるとすぐに辞めたいと思う社会人看護師も少なくないのが現状です。
その理由には様々なものがありますが、病院の中には社会人を経験しているからと「指導がなく仕事は任される」ところもあるようです。また「サービス残業が多い」というものもあります。一般企業では残業をすると残業代が支給されるのが当たり前ですが、病院で働くとそういうわけにもいかない事があります。研修や勉強会、詰所会議などもあり、その分は残業代にならないところも多いです。また、勤務時間内は業務に追われるため記録まで手が回らず、時間外になってもそれは残業とはみなされないケースもあります。また社会人看護師に限りませんが、看護師の仕事内容の「責任の重さに耐えられない」なども挙がります。これまでの社会人生活の中でもそれなりのプレッシャーはあったでしょうが、生命を守ることに関してのプレッシャーは比ではないようです。そして「自分より年下の看護師に指導を受けること」です。いくら社会人経験があるとはいえ看護師としては新人です。患者さんの生命を守るためにも指導は厳しいものになることはある程度の覚悟は必要でしょう。
このような理由が挙げられますが、社会人看護師として続けていきたいのであれば、病院は一般企業とは違うという事を念頭に置いて「スタッフの上下関係、階層などに慣れること」、日々勉強である事は忘れず「常に向学心を持つこと」、あくまでも自分は新米であることを意識し「謙虚な気持ちで人間関係を築く努力をする事」などでしょう。もう一度自分が社会人看護師を目指したときの気持ちを思い出してみてください。