看護師になって数年がたち一通りの仕事に慣れたころになると、ルーチンワーク的な作業が多くなってこのままでいいのか、という悩みを抱える人が増えます。スキルアップを目指して、就労経験が必要な助産師や専門看護師の資格取得する人もいますが、海外の看護師の現場を経験したいと考える人も少なくありません。看護師として海外で働くのは資格の問題があって難しいですが、留学という手段を利用すれば現地の医療現場を体感できます。
たとえば、オーストラリアの医療機関を対象にした有給インターンシップ制度があります。30歳までの年齢制限がありますが、オーストラリアの病院で看護師のアシスタントとして、お金をもらいながら現地の病院や介護施設に一時的に入職できるとシステムです。英語力はネイティブレベルほど高くなくても問題はありませんが、コミュニケーションは英語を使用するので、英語のスキルアップにも役立ちます。海外で看護師として働くには現地の資格を取得することが必要なので、将来的にオーストラリアの正看護師の試験を受ける準備段階として利用する人もいます。
また、海外の看護師資格取得を視野に入れて留学をする方法もあります。将来的に働きたい国の大学に入学して、看護学などの専門的な知識と学位の修得が必要です。仮にハイレベル看護の知識を持っていたとしても、語学力が低ければ学業を修めることはできません。旅行なら中学生レベルの単語数だけでもなんとかなりますが、人の命を預かる病院で看護師として働くためにはネイティブ以上の語学力が求められます。特に専門用語はしっかりと理解する必要があります。留学先として選ぶポイントはどのような看護がしたいかで決まります。たとえば福祉ならフィンランドが先進国ですし、介護医療の先進国はニュージーランドと言われています。心臓外科の現場で看護師として活躍を目指すならドイツでしょう。第一言語が英語以外の国が意外と多いので、現地語も習得していると有利です。