【看護師の呼称】
看護師、という呼称が浸透するようになったのは、実はわりと最近の事です。2002年の「保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律」による法改正までは、女性を看護婦、男性を看護師と呼び分けていましたが、この頃は男性の看護師は今以上に稀であり、看護職と言えば「看護婦」と言うのが世間一般の考え方でした。2002年を境に「看護師」と言う呼び名が広まりましたが、現在でも「看護婦」という呼称を使用する人はいるのでしょうか。

【患者さんに「看護婦さん」と呼ばれる】
結論から言うと、現在でも女性の看護師の事を「看護婦さん」と呼ぶ人は少なくありません。若い方は早い段階から看護師と言う呼称を覚えたのでそうでもないですが、年配の方になると長年使ってきた「看護婦さん」と言う呼び方の方がしっくりきているようです。看護婦と言う呼称を使ったところでペナルティがあるわけではありませんし、看護師自身もいちいち「看護師ですよ」と訂正をしたりするわけではないので、そのまま看護婦と言う呼称を使い続けているようです。

【呼称が変わったのは看護婦だけではない】
看護婦が看護師になると共に、実は他の役職も呼称を変えました。それは、看護婦長です。看護婦長と言えば、ナースものの漫画やドラマではお馴染みのポジション。経験豊富でどっしり構え、きびきびと部下のナースに指示を出す姿が印象的ですが、その看護婦長も今では看護師長に名前を変えています。看護師は現在では頻繁に使用される呼称なのでそれほど違和感はありませんが、看護師長は一般人だとあえて口にする事が少ないため、少々違和感が残るかも知れませんね。

なお、看護婦や看護婦長以外にも呼称が変わった人達がいます。例えば、保健師。少し前までは保健婦と呼ばれていましたが、現在では保健師です。助産婦も助産師になりました。このように、以前までは男女で分けて使用されていた呼称も、現在では「~師」のような形で統一されています。