看護師として、病院などで臨床経験を積んでいくと、「今のままでいいのか?」という疑問ができ、もっと上のレベルに行きたいという思いが出てくることがあります。

そこで、看護師がスキルアップ、キャリアアップしたいと考えた時、どのような方法があるのかについて考えてみたいと思います。

認定看護師・専門看護師になる

看護師のスキルアップ資格としては、認定看護師と専門看護師の2つがあります。

どちらも、より看護師の専門性を高め、質の高い看護を提供するために作られた資格で、2015年現在で認定看護師は21分野、専門看護師は11分野あります。

認定看護師は、臨床経験5年以上かつ認定看護の分野で3年以上の臨床経験を持つ看護師で、指定の教育機関で6ヶ月間教育課程を受講後、試験を受けて合格すれば認定されます。

一方、専門看護師は、臨床経験5年以上かつ専門看護の分野で3年以上の臨床経験を持つ看護師で、看護系大学院の修士課程を修了後、試験を受けて合格しなければなりません。

2015年現在では、認定看護師登録者数が15,935名、専門看護師登録者数が1,466名となっており、取得時のハードルの低さから認定看護師登録者数の方が、多くなっています。

進学して学問としての看護を極める

キャリアアップの一つとして、上級学校への進学もあります。

高等看護専門学校卒であれば、看護系の短大・大学、短大卒であれば大学3年次への編入、大卒であれば大学院に進学して、看護学を学びます。

看護学の専門分野には、小児、老年、精神看護、慢性期など多くの分野があるので、認定看護師や専門看護師になる前に、自身のやりたいことを見つけるために進学する看護師も多いようです。

資格を取る

看護師としての幅を広げるために、周辺分野の資格を取る方もいます。

看護師の周辺分野にある資格の代表格としては、保健師や助産師があります。

保健師は、4年制大学や短大の専攻科などで保健師養成課程を修了しなければ受験資格が得られません。

助産師の場合も同様で、大学で助産師養成課程を修める、もしくは専門学校や短大を卒業して看護師国家試験合格後、助産師養成学校を修了しなければ受験資格が得られません。

その後国家試験に合格することで、保健師や助産師の資格が得られます。

最近では、保健師養成課程も選択制になっているため、その養成課程の倍率も高くなっています。

できれば、学生のうちから将来のキャリアを考えておいた方がいいでしょう。

規模の大きい病院などに転職する

さらにキャリアアップを図りたい場合、認定看護師などの資格を取った後、今より大規模な病院への転職、もしくは周辺資格取得後新しい分野に転職する方法もあります。

認定看護師・専門看護師であれば、現在働いている診療科の看護をより極めることができますし、周辺資格を取得すれば、産業看護師や地域の健康相談の分野で活躍することも可能です。

いずれも、看護師としての臨床経験を活かして活躍することができ、将来のキャリアアップにもつながりやすくなります。

現状に満足せず、自分のペースで

スキルアップ、キャリアアップしたいと考えるのは、現状に満足できないことが理由です。

看護観ができてくると、自分の理想の看護についてもある程度見えてくると思います。

看護観ができあがった時が、そのチャンスです。

現状に満足することなく、ライフスタイルや看護観に合わせて考えることが大切です。

参考

都道府県別認定看護師登録者数
https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn