どんな職業でも同じですが、働いている人の体格は中肉中背の人ばかりではなく、極端に細い人もあれば体格のいい人もいます。看護師に関していえば、太る、と感じている人は多いです。ほとんど勤務中は立っているか動き回っていて忙しいはずなのに、制服のサイズが入職時より大きくなっている、という悩みを抱えている人は少なくありません。看護師だから体型が大きくなるというわけではなく、働き方や食生活にちょっとした落とし穴があります。

原因のひとつとして考えられることは、食事の仕方にあります。早食い、不規則、深夜、といった食事を続けていれば、必要な栄養をまんべんなく摂れないので、体のバランスも悪くなります。早食いをしているときは咀嚼回数が少ないので、栄養の吸収率が悪くなりますし、満足感を得られにくいので、過食しやすくなります。食事時間が不規則だったり深夜になると、エネルギーの代謝・消費がうまくゆかないため、体内に皮下脂肪として蓄積されやすくなります。加えて忙しいと、どうしても簡単にエネルギーを得られる炭水化物中心の食事に偏りやすくなります。野菜が不足すると、ビタミン、ミネラル、食物繊維が十分に摂れなくなるので、疲れやすくなったり、便秘になったりしますし、タンパク質が不足すれば、エネルギー代謝が低下するので、脂肪が蓄積しやすくなります。

食事以外にも原因はあります。睡眠時間が不規則になると自律神経が乱れやすくなり、ホルモンのバランスにも影響します。特に女性ホルモンの分泌が低下すると、太りやすくなることが知られています。夜勤の時は仮眠が取れるとしても、熟睡はできないので、睡眠のリズムが崩れて、ホルモンバランスに影響を及ぼします。この他、ストレスから過食になったり、精神的な疲労によって、新陳代謝が悪くなってエネルギーの消費率が低下することも、太る原因になっています。太りやすくなる原因を排除すれば健康体を維持しやすいのですから、看護師だから、夜勤があるから太る、というのは極端な解釈だと言えます。