保育園で働く看護師がいる一方、病院で働く保育士もいます。2007年に日本医療保育学会が始めた資格認定制度のひとつで、医療保育専門士として認定されれば病院で勤務できます。この場合、看護師の資格は不要で、保育士の資格が必要です。認定されるには病児の入院施設がある病院・診療所などで1年以上勤務経験がある、もしくは保育士として2年以上の勤務経験があることが必要です。主な業務は、入院している子どもの病状や発達状況に合わせて、お遊戯、絵本の読み聞かせなど保育園で実施しているような遊びを中心に指導します。就学年齢に達している児童に対しては学習支援を行ったり、話し相手になることもあります。付き添いのいない子供、心身に障害を持った子供、コミュニケーションが取れないような重病の子供などについては、看護師の指示を受けながら、生活のサポートを行うこともあります。

時には、医療チームの一員とし参加し、医師・看護師とともにカンファレンスに参加することもあります。医学的な専門知識をもたなくても、日々の様子を伝えて情報を共有することで、入院中の子供たちのストレスを緩和させて治療環境に整えるのに役立ちます。さらに、保護者に対して入院中の子供の病状以外の様子を伝える役割も担っています。このような業務内容から、保育士の資格のみでは十分なケアができないと感じる人は多いです。現場で医療の知識の必要性を痛感して、看護師資格の取得を目指す人もいます。また、逆に看護師になってから保育士の資格を取得する人もいます。ただ、小児病棟がなければ需要はなく、小児病棟があっても配置されていない医療機関も少なくありませんが、ニーズは高まりつつあるので、これから求人が増える職業のひとつと考えられます。

医療保育士に似た職業に院内保育士があります。院内保育士は医療機関に設置された施設が職場で、主に医療施設で働く医師や看護師などの従事者の子供たちのために働きます。名称は似ていますが、業務内容はまったく違います。