看護師さんたちは仕事柄人前で話す経験が多いので、話すこと自体にとても慣れていて上手です。しかし学会や研究会での発表となると途端に自信を失ってしまう人がいます。ましてやそういう人の場合、聞いてくれた人たちが自分の話を十分理解してくれたかどうかまで気が回らないでしょう。こういう経験を回避するために十分聴衆の気を引くことができ、みんなのためになるような論文を作成するための情報収集が何よりも不可欠です。そこで、効果的にお目当ての論文テーマを検索する方法をお教えします。
看護研究の基本的な構成は①テーマ、②序論、③方法、④結果、⑤考察、⑥要約、⑦文献です。論文を作成するにあたってまず行ってほしいのが先行研究の内容を知ることです。患者さんに対するケアで疑問に感じることがあれば、その疑問点について書かれている文献を読むことで問題の解決の糸口を見つけることができます。いかに自分のテーマに合う文献を見つけることが非常に重要となってきます。
文献検索で有名なのが、「医中誌」と「CINAHL」です。この二つは多くの大学や医療機関で契約しているため、各施設の図書館のパソコンで無料で検索することができますから、一番身近な文献探しと言えるでしょう。インターネットで参考文献を検索する場合はアルゴリズムを理解して検索することをおすすめします。例えば「ソーシャルサポート」というキーワードをGoogleで検索すると約419,000件ヒットします。しかし「ソーシャルサポート」と「看護研究」の二つのキーワードで検索するとヒット件数が約154,000件にまで絞り込めます。さらにシソーラスを活用すればさらにお目当ての文献にたどり着きやすくなります。シソーラスとは同義語のことで、例えば「ソーシャルサポート」という言葉で検索してヒットしなかった場合、「ソーシャルサポート」を「社会的支援」という言葉で置き換えて検索してみれば文献が見つかる可能性が出てきます。インターネットに慣れていないと文献探しに苦労するかもしれませんが、コツを覚えて早くお目当ての論文に出会ってください。