看護教員には、高校の看護科もしくは大学や短大で教鞭をとっている教員と、看護師養成専門学校で教鞭をとっている専任教員の2つのタイプがあります。働きたい機関によって資格や求職方法が異なりますので、なんとなく教員になりたいではなく、どちらのタイプの教員を目指すのか、はっきりと決めておくことが必要です。

まず、高校の看護科で教鞭をとるのに必要な資格は、限られた大学・大学院でしか取得できない高等学校用の看護教諭の免許が必要です。普通・特別・臨時の3種類があり、普通でも専修と1種の2つに分かれます。どちらも必要な単位を修得していることが前提で、専修免許は大学院の修士課程、1種免許は大学の学士の卒業が必要です。そして、公立高校の教諭になるには、各都道府県の教職員採用試験に合格することも必要です。特別免許と臨時免許で働く場合には、自治体によって基準に違いがありますが、看護師としての経験年数やスキルを勤務条件にしていることが多いです。大学および短大の看護教員になるためには教員免許は必要ありませんが、大学や大学院で専門知識を学び、学士・修士・博士のいずれかの学位を取得することが最低条件です。また、看護師や保健師としての臨床経験5年以上など、各大学の基準が設定されています。

もうひとつのタイプの専任教員を目指すには、各都道府県が実施している看護教員養成講習を受講することですが、希望するすべての人が受講できるものではなく、看護専門学校の卒業生、付属病院や関連病院で働いている看護師が推薦によって受講するケースが多いです。そのため、参加費用は受講を推薦した施設が負担してくれたり、出張扱いで参加させている医療機関がほとんどです。また、看護大学の教員養成コースなどを利用して専任教員になることもできます。看護師としてのキャリアを必須条件している教員機関はあまりないので、国家試験合格して、現場を未経験のまま教壇に立つ人も中にはいます。