男性看護師は、2018年現在で約9.1万人いると推計されます。
2002年から徐々に増え始め、2008年から見ると約2.2倍、さらに遡って1992年は、約1万人でした。それと比べると9.1倍近く増えています。
しかし、男性看護師ならではの悩みがあり、女性ほどではないものの転職を考える人も多いのが現状です。
男性看護師と離職率・離職理由
日本看護協会の調査によると、2019年度における看護師全体の離職率は、常勤が10.7%、新卒が7.8%でした。男性看護師だけの離職率は、データとしては公開されていませんが、女性と比べると低いとされています。
これは、特定の病院での離職率ですが、筑波大学病院での男性看護師の離職率は、2011年で約8%程度とされています。
2011年の全体での離職率が11.0%なので、男性は比較的離職せずに働き続ける割合が高いといえます。
一方、離職して転職する男性看護師もいます。
転職した看護師が、離職した理由としてあげることが多いのが、男性看護師が周りにいないことをあげます。
男性が増えているとはいえ、まだまだ女性の割合の方が圧倒的で、周りは女性だけということも珍しくありません。
そのため、悩みを打ち明けたくても同性の看護師がいないため悩みを打ち明けられない、女性とのコミュニケーションが取りづらいなどの理由で離職する看護師が多いと言われます。
また、看護師の場合職場結婚することが多く、妻の実家や職場の近くで働きたいという理由で転職するというものです。
これは、職場結婚の割合の高い看護師ならではの転職理由ですね。
男性看護師は既婚率が高いのですが、既婚者の場合であれば、大黒柱として一家を養うには、年収が心もとないという理由で離職する人が多いとされています。
男性看護師が求められる科目、在籍しやすい科目とは?
看護師が勤務する場所として、最も多いのが病院です。
病院は看護師のうちの約9割が勤務しています。
その他で多いのが、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護施設や訪問介護ステーション、保育所や一般企業です。
病院の診療科目の中で一例をあげると、男性専門の診療科があるクリニックです。例えば、形成外科、皮膚科、泌尿器科などがあります。
AGA以外では、ED(勃起不全)を専門に取り扱うクリニックでも、男性看護師を積極的に雇用しています。
その他、男性の患者が多い整形外科、夜勤要員として重宝されることが多いICUや救命救急、手術室や透析科、採血室、力仕事の多い精神科病棟や入院施設のあるメンタルクリニック、老人福祉施設に男性看護師が多く在籍しています。
転職先として人気の高い職場のランキングでも、上記であげたような男性看護師が多い場所となり、オペ室や透析科、精神科、泌尿器科といった場所が人気の転職先です。
有利に転職先を見つける方法
男性看護師が転職する際に注意しなければならない点としては、以下の点があげられます。
・ 女性が多い職場であれば、職場環境を考慮して選ぶ
最初にあげた、男性が多く勤めている職場を選ぶという点は、長く勤めている男性看護師がいる職場であれば、職場内でコミュニケーションを取りやすいという点もありますし、すでに職場風土が作られているところに入ることになるため、比較的早く馴染みやすいというメリットがあります。
しかし、「妻の実家や職場に近いところを」と考えて選んだ場合、どうしても女性が多い職場しかないというケースもあるかもしれません。
その場合は、職場環境をしっかりと調べた上で決めたほうがいいでしょう。
女性看護師が多い職場の場合、男性看護師に汚物処理や力仕事といった仕事が回ってきやすくなることがあります。
そのようなことが起こりやすい職場であれば、看護師として働く以前に心が折れてしまうこともあります。
求人情報の探し方で考えると、男性の場合も転職サイトを活用した方が有利に転職しやすいでしょう。
特に、男性看護師の場合は、女性看護師以上にしっかりと情報収集を行い、転職先を選ぶ必要があります。
まとめ
転職サイトの担当者を味方にして、男性看護師が働きやすい病院や施設の情報や、男性看護師を積極採用している病院などの情報を把握しておけば、いざ転職する時に動きやすくなります。