あなたは、椎間板ヘルニアについてご存知でしょうか?
なんとなく知っている方や病名だけは知っているという方も多いのではないでしょうか?
実際に椎間板ヘルニアについてご存知でない方にも、椎間板ヘルニアの患者さんに対するかんごを知って頂くために、椎間板ヘルニアについてお話ししていこうと思います。
椎間板ヘルニアとはどのような病気?
では、まずは椎間板ヘルニアとは、どのような病気であるのか?
ということからお話ししていこうと思います。
椎間板ヘルニアとは、髄核が脱出もしくは膨隆することによって脊髄もしくは神経根を圧迫することで神経症状が現れる病気です。
脱出する場所によって病名が変わってくるのですが、椎間板ヘルニアとは、後方に向かって脱出したもののことを言います。
一番発症しやすい部位としては、第4~5腰椎間、次いで第5腰椎~第1仙椎です。
この部位によって痛みの場所やその他の症状が違ってきます。
年齢としては、30歳から50歳代の男性に多いです。
やはり、その理由としては、中腰姿勢で重いものを持ち運びすることが多いからではないかといわれています。
椎間板ヘルニアの症状としては、主に痛みです。
腰部に激痛が生じます。
そのため、急性期の時には体位変換をするのも困難になります。
また、この他にはバレー兆候やラセーク兆候とった症状も出現する場合があります。
椎間板ヘルニアの治療方法
では、椎間板ヘルニアの治療方法は、どのようにするのか?
急性期の状態の場合には、保存療法を行います。
保存療法とは、骨盤牽引もしくはコルセットを装用して安静に過ごしてもらいます。
椎間板ヘルニアは再発リスクが高く、場合によっては、保存的療法をしていても症状が改善しない場合があるので、そういった場合には手術療法を行うこともあります。
椎間板ヘルニアの患者さんに対する看護とは?
椎間板ヘルニアの病気について少しは理解して頂くことができたでしょうか?
病気について少しは理解して頂けたのであれば、看護についてもイメージしやすくなったかと思います。
椎間板ヘルニアを発症した患者さんの多くは腰に激痛が生じます。
この痛みは、日常生活に対してもかなり影響してきます。
ですので、看護師としての役割は、この痛みを理解した上で看護を行う必要があります。
まずは、全身状態の観察を行います。この全身状態を観察する際には、痛みの程度や部位、痛みだけではなく、知覚異常や運動障害が起こっていないかを観察することが必要です。
そして、保存的療法を行う際の注意点としては、この痛みを少しでも軽減するように工夫をしていきます。
痛みのコントロールは薬だけではないの?
と思う方もいらっしゃると思います。
ですが、そんなことはありませえん。
痛みのコントロールは薬だけではなく、看護師が行えることは他にもあるのです。
例えば、姿勢です。
患者さんによって安楽だと感じる姿勢は違ってくるので、その個々の患者さんに合わせたポジショニングを行う必要があります。
また、ベットのマットレスですが、マットは柔らかい方がいいのでは?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、マットは硬いものを選んでください。
柔らかいと、腰が沈んでしまうため、さらなる痛みを引き起こしてしまう可能性があるからです。
他にもコルセットを正しく装着してあげてください。
看護師の中には、コルセットの装着方法をしらないため見よう見まねでコルセットを装着している方がいらっしゃいますが、コルセットには向きがあり、そして巻く位置やどの程度の強さで巻けばいいのかがあります。
そのため、今までにコルセットを装着したことがない方や、装着方法がいまいちはっきりしらないという方は、先輩看護師にお願いして、装着方法を指導してもらう必要があります。
間違ったコルセットの装着を行うことで、患者さんに苦痛を与えますし、場合によっては表皮を剥離させてしまう可能性もあるのです、十分注意してください。
保存的療法をする際には医師より安静の指示が出されます。
その指示通りのADlを守りそして、自己にて行えない場合には、介助してあげてください。
介助する際には、無理やりするのではなく、患者さんの痛みの程度を見ながらゆっくり介助してください。
手術療法を行う際の看護
次に、手術療法を行う際の看護についてお話ししていこうと思います。
手術療法を行う患者さんの場合に注意しなければいけない点としては、膀胱直腸障害や下垂足、知覚障害などを引き起こすリスクがあるます。
ですので、痛みの程度や部位だけではなく、その他に排尿・排便が行えているのか?
痛み以外の症状は出現していないのか?ということについても観察していくことが必要です。
また、異常がある場合にはすぐに医師に報告し、指示を仰いでください。
手術を受けた終日間はベット上安静であるため、自己にて行えない事がたくさんあります。
それは、食事や、清潔、排泄といった今までに自分でできていた事ができなくなるため、不安や羞恥心といった精神的な負担を感じる方が多くいらっしゃいます。
ですので、精神的なサポートを行いながらケアを行う事も求められます。
そして、ベットから離床できるようになり、医師から安静度が軽減した場合には、自分で行えるところは自分でしてもらい、できないところに手を差し伸べるようにしてください。
そうすることによって、ADLの拡大がスムーズであり患者さん自身の精神的・肉体的な苦痛も最小限に抑える事ができます。