放送大学は、自宅に居ながらテレビやラジオを利用して知識を修得できるシステムです。放送大学で学んだだけでは看護師国家試験の受験資格は得られません。正看護師の場合には厚生労働大臣が指定する学習機関で学ぶことが必要とされています。しかし、学位授与制度を利用すれば看護学の学士の資格も取得できます。学位授与制度は、看護系の短大や専門学校で学んだ人が大学卒業と同等の学位申請に必要な専門科目などを履修できるシステムです。放送大学では、2年以上在学して65単位以上を履修し、レポートを提出することが必要です。3年制の看護学校を卒業している場合には、在学は1年、履修単位は32以上で条件を満たせます。また、約2週間の夏期集中型科目を利用すると、看護学の基礎となる6科目を履修できます。また、放送大学以外の通信制の看護師養成学校に通っている場合、学校が指定した放送大学の授業を受けると、修得単位として最大32単位まで認定してもらえます。入学前に修得しておけば、養成学校での授業をゆとりをもって受けられます。

准看護師の資格を取得している人が正看護師になるには、3つの方法があります。全日制の看護学校に2年間通うのが最も早い方法ですが、働きながら目指す場合には、定時制の学校に3年通うか、通信制の学校で2年間学ぶという方法があります。通信制の場合には、さらに厳しい条件があり、准看護師として7年以上の経験をもっていることと、通信制の看護師養成学校で2年間専門教育を受けて65以上の単位を履修することが必要です。しかし、放送大学で看護学の科目を32単位以上履修した場合、養成学校での履修は免除されます。このため、経験年数が条件を満たすまでの間に、放送大学で先に必要な単位を履修しておくこともできます。

また、正看護師としてすでに活躍をしていて、さらにスキルを拡げたいという人には、認定心理士、臨床心理士になるための授業もあります。心理学を学んでおけば、患者や家族にたいするケアの質をアップさせることができると、多くの看護師が履修しています。