一つの診療科の看護を極めたいと考える看護師は、専門病院に転職を希望するケースが多くなっています。専門病院といっても、単科のクリニックもあれば、高度な医療を提供する病院もあります。

そこで、専門病院での看護師の仕事内容や平均年収、向いている看護師像についてまとめていきたいと思います。

看護師の仕事内容とは?

基本的な業務としては、医師の診察補助や器具の消毒・洗浄、採血や注射など、通常の外来業務と変わらないものもありますが、専門病院であれば、その科目独特の業務もあります。

精神科の場合は、患者本人や家族の心のケアを行います。また、心臓疾患や糖尿病を併発する場合も多いので、バイタルチェックなど身体の管理も行います。

眼科では、個人病院やクリニックでも手術を行う場合があり、看護師が手術の器械出しの患者の術前・術後サポートを行います。また、各種検査も看護師が行います。その他にも、眼科特有の検査が多いのが眼科の特徴です。

耳鼻咽喉科であれば、検査補助があります。聴力検査やSISI検査、味覚検査など特殊な検査が多いことが特徴です。その他、外科的治療を行うことも多いので、手術の介助を行う場合もあります。

美容外科(皮膚科)であれば、手術の介助を行う場合があります。その他、初めて来院した方のカウンセリングも看護師が行うので、他の診療科とは少し違う雰囲気があります。

看護師の平均年収とは?

精神科看護師の平均収入は、約380万円~470万円で、日勤のみの看護師平均、夜勤込みの看護師平均とほとんど変わりません。専門的な知識を身につけ、認定看護師などの資格を取ると、その分年収にも反映されやすい傾向にあります。

眼科は、病院の経営規模や夜勤の有無で異なります。少ないところだと約300万円というところもありますし、多いところだと約470万円というところもあります。

耳鼻咽喉科はクリニックが多いので、それほど高くない傾向にあり、個人病院だと約350万円~400万円前後となります。夜勤がある病院であれば平均の470万円近くの年収になりますが、その規模によって大きく異なる傾向があります。

美容外科(皮膚科)の場合は、自由診療になるため、その分年収も高くなる傾向にあり、平均年収も約450万円~500万円です。その他、オリジナル化粧品の売り上げや施術の契約件数によってインセンティブがつくこともあるので、それによっては大きく変わることもあります。

向いている看護師像とは?

専門病院でもっとも大切なのは、その科目の看護を極めたいという気持ちです。近年、医療の高度化に伴い、どの科目でも医療内容が専門化してきたことに伴い、看護についても細分化が進んでいます。

そのため、専門看護師や認定看護師といったエキスパートの資格をとった看護師が、専門病院に向いているといえます。

その他、精神科では相手のペースに合わせられる柔軟性を持っている、眼科では検査で使われる特殊な機器について覚えようとする積極性を持っている、耳鼻咽喉科は子供が多いため、子供が好きなこと、美容外科は接遇に厳しく、売上のノルマがあるので、そういったプレッシャーに耐えられる看護師が向いているといえます。

どの分野に関心があるか見極めて

前述したように、医療内容の高度化にともなって、医療分野が専門化しており、看護業務も専門化しています。例えば、精神科といっても、小児の精神科疾患、認知症、アルコール依存症専門などのように細分化しているので、自分がどの分野に関心があるのかを考えることが必要です。