最近は、虐待のニュースなどで、児童養護施設や乳児院が取り上げられる機会が増えました。
乳児院と看護師
乳児院とは、保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設のことで、2歳くらいまでの子供たちが保育士、看護師、管理栄養士、医師などのスタッフに囲まれて生活しています。
乳児院で暮らす子の背景には、親の病気や死亡、経済的な理由、捨て子、虐待、私生児など家庭で育てることが困難であるという理由があります。
虐待から子供を守る乳児院と看護師
もっとも多いケースが、親の虐待からの保護です。
こどもの体にあざや擦り傷、火傷の跡や入院時に骨折していたり、体重が極端に軽い子も珍しくはありません。
一時的に保護され、半年以内に親元へ戻っていく子供たちもいますが、半数以上の子供は、親元に帰ることができないというのが現状です。
悲しいですが、現実です。
こどもを愛せない親というのは、世の中には一定数存在します。
小さな子供の看護ということで、保育園の看護師と同じようなものと思われがちですが、実際には、まったく別物です。
保育園が一時的に子供たちを預かる場であるのに対し、乳児院は子供たちが暮らす生活の場です。
そのため、24時間看護が必要になりますし、体調の面だけでなく、愛情や信頼などの情緒をはぐくむことが、大事な役割になります。
保育士や他の職種の人たちと助け合いながら、虐待などで傷ついた子供たちの心を守り、育て、親代わりになるのです。
また、障害や病気を持った子を受け入れられず、育児放棄されるケースも多いため、そういった子供に対する専門的な知識が、必要になります。
乳児院の看護師になるにはどうすればいいのか
乳児院の看護師になるには、ボランティアスタッフとして働くのが、一番の近道です。
施設の数が少ないため、一般の求人に載ることは、ほとんどありません。
ボランティアスタッフとして、日々子供たちに接し、ある程度の信頼関係を築いてから正式な職員となるのが、もっとも多いパターンです。
また、小児科看護や保育園看護、子育ての経験があると、採用に有利になります。
施設の規模によっては、看護師の数が少なく、休みが取りづらい場合があります。
給与や待遇も施設によって異なりますので、実際に働く場合は、その施設に確認を取りましょう。
何より、こどもの命を守る最前線です。
とても重要でやりがいのある、看護師のお仕事だと言えます。