看護師の年収・給料を考える上で、外せないのが夜勤手当です。看護師の場合は、夜勤手当がある分、年収も高くなると言われています。夜勤をしている看護師としていない看護師では、年収や休みはどれくらい違うのでしょうか。
そこで、夜勤に入る場合と入らない場合の年収差、休みについてまとめてみたいと思います。
夜勤とは?
看護師の勤務形態は、2種類に分けられます。
・2交替制
・3交替制
2交替制と3交替制の違いは、看護師の勤務交代時間の違いです2交替制の場合は日勤と夜勤、3交替制の場合は日勤と準夜勤、深夜勤に分かれます。勤務時間については、各医療機関によって異なるので、ここでは一例をあげておきます。
2交替制の場合
日勤 9:30~18:30
夜勤 17:30~10:00など
3交替制の場合
日勤 9:00~18:00
準夜勤 17:00~翌2:00
深夜勤 翌1:00~9:30など
2交替制でいう夜勤とは、3交替制では準夜勤と深夜勤が相当します。
看護師が夜勤に入る回数と、夜勤をしないことによる年収の差とは?
勤務する病院の勤務体系にもよって異なりますが、2交替制の場合は夜勤の拘束時間が長くなることが特徴です。そのため、1回あたりの勤務時間も長くなり、夜勤の回数も少なくなります。一方、3交替制の場合は、24時間を3分割にするため、一回の勤務時間は短くなります。しかし、その分準夜勤か深夜勤に交替で入ることになります。
勤務回数については、各医療機関によって異なりますが、平均で2交替制における夜勤が月に4~6回、3交替制の場合は準夜勤と深夜勤がそれぞれ4~5回ずつ、合計で月8~10回となります。上記はあくまでも一般病棟の場合で、ICUの場合は夜勤でも人員を増やす場合が多く、2交替制で月5~7回、3交替制で月10~12回となっています。
日本看護協会が実施した、「2014年 病院における看護職員需給状況調査」によると、夜勤手当の平均は2交替制で10,859円、3交替制の準夜勤が4,190円、深夜勤が5,259円です。2交替制の場合の夜勤手当の合計は月額43,436円~65,154円、3交替制の場合は月額75,592円~94,490円になります。
年額にすると、2交代制の場合で521,232円~781,848円、3交代制の場合で907,104円~1,133,880円が夜勤手当です。看護師全体の平均年収が470万円なので、日勤のみの場合、2交替制の場合で約392万円~418万円、3交代制の場合で約356万円~379万円となります。
あくまでも、毎月平均回数通り夜勤に入った場合となりますが、最低でも約52万円~90万円、最大回数入った場合は約78万円~113万円年収に差がつく計算になります。なお、夜勤手当については小規模病院ほど金額が高くなる傾向にあります。小規模病院であれば、夜勤の有無でさらに年収差がつくことが予想されます。
夜勤がある病院での勤務体系とは?
2交替制と3交替制では、勤務リズムにもそれぞれ違いがあります。
2交替制の場合は、勤務体系が日勤と夜勤に分かれており、日勤を終えた翌日は夕方から夜勤に入り、翌日朝まで勤務します。夜勤終了後は夜勤明けで、その翌日が休みとなり、翌々日から日勤に戻ります。
3交替制の場合は、勤務体系が日勤、準夜勤、深夜勤の3つに分かれており、勤務パターンはいろいろです。一例をあげると、日勤が終わってから帰宅して、自宅で入浴・仮眠。そこから日付が変わって深夜勤。朝に帰宅後に睡眠を取って、夕方から準夜勤を行い、深夜に帰宅。翌日は休みになり、翌々日は日勤という勤務パターンになります。
したがって、休日についてはあくまで目安となりますが、2交替制の場合は夜勤明けも含めて月10日ほど、3交替制であれば月8~9日ほどとなります。
2交替制の場合は夜勤の拘束時間が16時間半と長くなりますが、その代わり夜勤明けは勤務がなく、翌日は休みなので、その分生活リズムも整えやすくなります。一方、3交替制の場合は日勤と深夜勤の間が約7時間、深夜勤と準夜勤の間が約7時間半と次の勤務の間が短くなります。
特に深夜勤から準夜勤となる場合は、その時の状況によってほとんど睡眠を取らずに勤務になる場合も多いので、オーバーワークの問題もよく言われています。実際、3交替制の場合、医療ミスが起きやすいなどの諸問題が起きやすい環境を作りやすいことが、科学的に証明されていることもあり、2交替制に移行する病院も増えつつあります。
病院勤務における夜勤勤務の現状
夜勤ありの病院となしの病院では、平均で50万円~100万円の年収差があります。また、休みに関しても、2交替制と3交替制では夜勤終了後夜勤明けがある分、2交替制の病院の方が長く休むことができます。
実際に、ケアレスミスをなくしたい、プライベートを大事にしたいなどの理由により、2交替制の病院での勤務を希望する看護師が増えています。夜勤がある病院に転職する際は、勤務体系や各勤務帯の勤務時間の内訳をしっかりと確認した上で選ぶことが必要です。