整形外科に入院する患者さんの中で多い疾患でもある圧迫骨折ですが、実際に、圧迫骨折の患者との関わりがなければどのように接しそして、どのような看護を行えば良いのか解らないという方も多いのではないでししょうか?
圧迫骨折について理解して頂けるようにお話ししていこうと思います。
圧迫骨折ってどんな病気?
圧迫骨折とは、脊椎にある椎体が潰れてしまう疾患です。
なぜ、椎体が潰れてしまうのか?と言いますと、骨粗鬆症などで骨の密度が減少してしまうことで骨がもろくなり、骨同士がぶつかり合うことで起こってしまいます。
骨粗鬆症による圧迫骨折は、閉経を終えた50代以上の女性に多いです。
骨粗鬆症による圧迫骨折を起こした方には、骨粗鬆症の治療を行います。
骨粗鬆症の治療としては、食事療法と運動療法に加えて内服加療と注射療法も行います。
圧迫骨折は、骨粗鬆症が原因以外にも悪性腫瘍や骨軟化症などの病気によっても起こる可能性があります。
圧迫骨折といっても、部位によって症状が違ってきます。
1つは、脊椎圧迫骨折、2つめは、頚椎圧迫骨折、そして3つ目が、腰椎圧迫骨折です。
この3つの中で一番多いのが、腰椎圧迫骨折です。
圧迫骨折の患者さんに対する看護とは?
患者さんによって症状の違いがあり、個人差がありますが、圧迫骨折を起こすと疼痛が出現します。
この疼痛ですが、じっとベットで寝ていれば痛みを感じにくいのですが、少しでも体を動かすと激しい痛みになります。
ですので、自分で体を動かすことが困難となるので、日常生活動作にかなりの影響を与えます。
圧迫骨折患者さんに対する看護で一番大切なのは、痛みのレベルを把握し、患者さんの痛みの加減を見ながら介助を行うことです。
体位変換やベッドをギャッジアップする際には、ゆっくりと行ってください。
圧迫骨折を発症すると、医師の指示によりコルセットを使用します。
圧迫骨折を起こす患者の多くは高齢であり、また圧迫骨折による痛みのため、自分でコルセットを巻くことが困難です。
ですので、コルセットを巻くのも手伝ってあげてください。
コルセットを巻く際には、巻く位置と締め付け具合が重要です。
患者に声かけをしながら、おこなってください。
コルセットを使用する際に、一番に気をつけなければいけないのは、褥瘡です。
栄養状態が悪くガリガリに痩せている患者の場合は、全身の循環が悪い立ため、少しの時間でも褥瘡ができやすいです。
一度、褥瘡になってしまうと、治癒するまでにかなりの日数が必要となります。
ですので、褥瘡にならないように予防に努めることが大切です。
体位変換は2時間ごとには行い、皮膚トラブルがないか、毎日観察してください。
そして、毎日食事はしっかり取っていただき、動ける範囲で運動を行うようにしてください。
圧迫骨折の場合、疼痛以外にも症状があります。
この症状は、圧迫骨折を起こした部位によって異なりなります。
その中の脊椎圧迫骨折ですが、場合によっては、脊髄損傷を伴う場合があります。
脊髄損傷を伴うと他の臓器に障害が出てくる可能性が高くなります。
特に、脊髄損傷を併発している場合は、膀胱直腸障害を起こしやすく、自己排尿や排便が困難になることが多いのです。
今まで自分で排泄ができていた方にとって出来なくなるということは、精神的にも負担がかかります。
ですので、羞恥心に配慮し、そして、排泄しやすいような環境づくりを整えてあげてください。
といっても、ずっと寝たきりでいる訳にはいきません。
コルセットが完成したら、少しずつ体を動かしていかなければいけません。
寝たきりの日数が長けえれば長いほど、元の体への回復が遅くなります。
体を動かさなければ、体力・筋力が落ちていき、廃用症候群となってしまう可能性が高くなるので、少しずつ自分のできることは行ってもらうようにしてください。
圧迫骨折患者さんへのケアを行う際の注意点は?
圧迫骨折の患者さんの一番気をつける点は、疼痛に対して理解を示すことです。
見た目では、傷があるわけではなく、ベットで上に安静にしていれば元気ですが、少しでも動くと体に激痛が走ります。
看護師からすれば、「少しくらい我慢すればいいのに」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、電気が走ったような痛みは本当に辛いのです。
ぎっくり腰になった方であれば解るかもしれませんが、ぎっくり腰のような痛みが1ヶ月程度続くのです。
ですので、患者の苦痛を理解した上で看護を行うようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?圧迫骨折について理解していただけたでえしょうか?
圧迫骨折には、頚椎圧迫骨折、脊椎圧迫骨折、腰椎圧迫骨折がります。この中で一番多いのが腰椎圧迫です。
圧迫骨折の多くは、骨粗鬆症によって骨がもろくなることで、骨同士がぶつかりあい、骨が潰れてしまいます。
そのため、骨粗鬆症のよぼうとして、内服加療や注射、そしてバランスのとれた食事と適度な運動を行うことが予防になります。
また、圧迫骨折は疼痛によりADlが低下します。
そのため、1人ではできないことが増えてしまいますので、患者の精神的肉体的な面を考慮した上で看護することが大切です。