看護師の帽子、つまりナースキャップですが、昔はよく見られたものの今ではほとんど見る機会はありません。ナースキャップは被っていると「まさに看護師!」という感じがするものなので、寂しく思う人もいるでしょう。もともとなぜこのキャップが生まれたかというと、今でいう看護師のような仕事をしていた昔の修道女のベールからきたものだと考えられています。

なぜ看護師の帽子は今なくなっているかというと、ひとつは衛生的な理由があげられます。現在の体制では感染症を防ぐために医療スタッフは衛生面の向上を心掛けなくてはならないことになっています。帽子を被っていると帽子に繁殖する細菌やウイルスが出てくるので、被らない方が衛生的にはいいのです。もちろん洗濯すれば綺麗にはなりますが、当時のナースキャップは毎日交換するものではなく、また毎日交換するとなると洗濯量が増えるということから廃止されました。

他にも単純に業務の邪魔になるという理由があります。看護師といえど医療器具を使って患者に処置を施すことがあるわけですが、その際、帽子が器具などに当たってやりにくいということがあったのです。微妙な手作業となる医療処置を少しでも阻害する帽子は不適当というわけです。またナースキャップを着用する時、ピンを使ったりして手間や時間が取られるので、そういった無駄も省く目的があります。

それから男性看護師が出てきたという理由もあります。ナースキャップはもともと女性用であり、男性が着けることはありません。しかし、同じ看護師なのにもかかわらず、男性と女性で着用するものが違うということに疑問が生まれ、廃止されていったのです。

男女差をなくす取り組みは帽子だけでなく、制服にも表れています。たとえばスカートの制服が減り、足首まであるパンツの制服が増えていることがあげられます。こういった制服の違いも考慮して転職先の候補を選ぶというのもいいかもしれません。