転職を考えた時、なんとしても避けなければならないのは、ブラック病院への転職です。
世間では、労働環境や条件が悪い企業のことを俗にブラック企業と呼びますが、病院にもブラック病院と呼んでもいいような労働環境の悪い職場があります。
ブラック病院にあたってしまった場合、すぐに見切りをつけて転職するのが正解です。
看護師の場合はまだまだ売り手市場なので、転職を繰り返したとしても、まだ職に困ることはありませんが、しっかりと見極めないと1年に複数回転職を繰り返すということにもなりかねません。
ブラック病院の特徴とは?
ブラック病院と呼ばれるような、勤務条件や労働環境などの悪い病院の特徴には、以下のような事柄があります。
・ 離職率が平均以上に高い
・ ベテラン看護師が少ない
・ いつも求人を出している
・ 職員の暴言が多い
・ 教育体制がほとんどない
・ 医療ミスが起こる可能性が著しく高い
・ サービス残業が多い
この中で、特に注意しなければならないのは、ベテラン看護師が少ないという点です。
ベテラン看護師であれば、その臨床経験から転職先に困ることがないため、ブラック病院だと思ったら見切りをつけてしまいます。
そのため、残るのは経験が浅く、若い看護師ばかりで、いつ医療事故が起きてもおかしくないような態勢が続きやすい傾向にあります。
ブラック病院の勤務実態とは?
ブラック病院と呼ばれるからには、勤務実態にもかなり強烈なものがあります。
一例としてあげられるのが、夜勤に関することです。
現在では日本看護師協会が「夜勤・交代勤務に関するガイドライン」というものが作られており、その勤務編成基準というのは次のようになっています。
・ 拘束時間は最大13時間以内
・ 夜勤の連続回数は2回まで
・ 仮眠時間は連続した時間を設ける
・ 2回連続夜勤を行った場合は、48時間以上休息を確保する
・ 連続勤務は、最大5回までとする
これが明文化されたことによって、残業時間も少しずつ削減され、離職率も11%台で推移するようになりました。
しかし、依然として9割以上の看護師が時間外勤務を行っており、いわゆる過労死ラインと言われている月60時間以上の時間外労働を行っている看護師も0.8%います。
しかし、医労連が実施したアンケートによると、時間の多少の差はあるものの、約3分の2の看護師がいわゆるサービス残業を経験しているという結果が出ています。
細かく見ていくと、10時間以上が15.6%、30時間以上が2.6%、50時間以上も0.6%となっており、ブラック病院ではサービス残業が当たり前のように行われています。
ブラック病院と呼ばれているところでは、有給休暇を取りにくい雰囲気があるというのも大きな特徴です。
有給休暇というのは、誰にでも取得することが認められている権利で、繁忙期であれば希望時期に取得できない場合もありますが、大抵の場合は希望した日に休暇を取得することができます。
大抵の病院では、退職前には有給休暇をできる限り消化して、数日間出勤して引き継ぎなどを行うのが一般的です。
しかし、職員の入れ替わりが激しい、退職者が出すぎて最低限の人数でシフトを組まざるをえない病院であれば、そのような事情で有給休暇を消化しても嫌な顔をされる場合が多いといいます。
また、すべての病院で当てはまるかどうかは分かりませんが、本来の業務以外の業務をやらされるといったことも日常茶飯事で、中には勤務中に呼び出され選挙活動のようなことをやらされたことがあるという看護師もいたほどです。
ブラック病院かどうかしっかりと見極めましょう
働いてみたい病院があれば、病院を見学してみると色々なことが分かります。
病院を見学することで、色々なことが分かるので、以下のようなことをチェックしてみてください。
・ ナースステーションの状態
・ 看護師の表情
そのようなところを見て、ブラック病院かどうかを見極めて下さい。
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