看護師の転職って実際どうなの?

公益社団法人日本看護協会が実施した「2014年 病院における看護職員需給状況調査」によると、2013年度における常勤看護職員の離職率は11.0%、新卒入職した看護職員の離職率が7.5%となっています。
日本全国で実際に看護職に従事している看護師が100万人以上いるので、約20万人弱の看護師が転職していることになります。

実際、アンケートサイト「アイリサーチ」が、20歳?49歳の看護職に従事している女性を対象にした「看護師転職意識調査」によると、全体で47%の方が何らかの形で転職を考え、うち7.0%の方が具体的に考えていて転職活動しているという結果が出ているので、離職率から考えるとほぼ妥当な結果が出ているといえます。

転職を考える理由では、ナースフルのアンケートや前掲のアイリサーチ実施のアンケートでも同じように、仕事のハードさ、人間関係、さらにスキルアップしたい、給与の不満という理由をあげています。
アイリサーチのアンケートでは、ほとんどの人が医療・福祉関連業(看護職)に従事していることから、看護職そのものはやりがいもあるし好きだが、ワークライフバランスの充実や
お互いがコミュニケーションを取れる環境での勤務を求めていることが分かります。

転職理由という点では、その他にもパート・正社員問わず、業務内容・雇用形態を変えたいという理由をあげる人も意外と多く、非常勤(パート)から常勤(正社員)としての雇用を求める人だけでなく、子育てとの両立を図りたいなどの理由で常勤(正社員)から非常勤(パート)への勤務形態の変更を希望して転職する人が多いのも、看護職における転職の特徴といえるでしょう。

ただ、転職経験がある看護師のうち、転職して良かったと思っている人の割合は6割弱で、約4割の方は転職して良かったとまではいえないと思っている(アイリサーチ調べ)という調査結果もあります。

その他、65.0%の人が少なくとも1回は転職経験があり、転職経験がある人のうち75%の人が2回以上転職しているという調査結果が出ていることから、何らかの形で不満を持っている人は、新しいところでも不満が出てくると転職を考えやすくなるということがいえます。

転職先を決める時に重視する項目として上位にあるのは、人間関係、勤務時間や休日などの勤務条件、給与・賞与、通勤時間という項目があります。
実際に給与が減ったと答えている方が21.8%いますし、比率的には高くないものの、勤務時間が増えたと答えている人や人間関係が悪くなったと答えている人もいるので、変化を求めていた部分が自身の想像より悪くなっていた時に転職を考え、実際に転職するという実態が見えてきます。

満足度の高い転職をするために必要なこと

看護師は、現在の日本において超売り手市場です。
厚生労働省が「7対1入院基本料」の導入を決めてからは、特に看護師が求められるようになりました。

少し前までは、「看護師の活動領域=病院などの医療機関」と言われていました。
しかし、近年では超高齢化社会を迎えており、介護も「病院ではなく、家庭で行う」という時代に突入しています。
そのため、医師や薬剤師、理学療法士や作業療法士と一緒に、各患者のお宅に出向いて医療行為を行う訪問看護や、デイケア施設や介護施設に勤務する看護師も需要の高い分野となっています。

看護師に限らず、転職を考える人の多くは「給料が多くて、休みが多くワークライフバランスが取りやすくて」と理想にばかり走ってしまう人が非常に多いものです。
しかし、理想を満たすような職場というのは実際にほとんどなく、転職を繰り返す人のほとんどはその理想を追いかけているのが現状です。
転職の目的というのは、自分自身にとって満足度の高い職場で仕事することにあります。

優先順位をつけること

転職を考えた時に、不満に思った項目は様々あると思います。
給与という人もいるでしょうし、休みが少なすぎる、人間関係がよくないからという人もいるはずです。
その他に勤務形態を変えたいという人や勤務時間、通勤時間に不満を持つ人もいるでしょう。

不満というのは、言い出せば際限なく見つかるというのは、誰でも経験があると思います。
しかし、不満に思っている項目の中でも、我慢できる項目とそうでない項目があります。

これもまた人それぞれですが、不満に思う項目の中で優先すべき項目とそうでない項目を分けておくと、面接の時に「夜勤や残業は受けられない」とか希望を伝えられずに了承せざるを得なくなるなどのトラブルを防ぐことにもつながります。

キャリアプランとライフプランを考える

看護師のような専門職で大切なのが、キャリアプランとライフプランを考えることです。
キャリアプランというのは、簡単に言うと「看護師として働く中で、どのような道に進むか」を決めることです。

ライフプランというのは、「結婚や出産といったライフイベントも含めた人生設計」のことをいいます。

看護師になる方法は、3通りあります。

・高等看護学校(専門学校)を卒業する
・短大の看護学科を卒業する
・4年制大学の看護学部(看護学科)を卒業する

このいずれかの要件を満たし、看護師の国家試験に合格すれば看護師になることができます。

最近では、保健師の受験資格も得られることがあって、4年制大学出身の看護師も多くなっていますが、高等看護学校を卒業していても、さらに知識を習得するために大学に再入学する人もいます。

ライフプランよりは、看護師としてどのように働きたいかという問題になり、より高度な知識を身につけ、特定分野の専門家になりたいと考えている人は、大学?大学院という道を選び、その勉強時間を作るために転職する人もいます。

キャリアアップと働き方

看護師のキャリアアップには、大きく分けて3つあります。

・病院の中で主任、看護師長、看護部長のように役職を積み上げる
・認定看護師になり、特定分野の専門家を目指す
・無理のない程度で働きつつ、家庭と仕事との両立を図る

看護師というのは、様々な分野で必要とされており、以前のように医療機関だけが活躍の場ではなくなっています。
介護施設で働く人もいれば、産業看護師もいれば、学校看護師や特定分野の知識を身に付けるために特殊分野に従事している看護師もいます。
働き方も様々で、日勤・夜勤の両方をこなす人もいれば、どちらかのみという方もいます。

ここに関しては様々で、大きな病院で安定した働き方を選択する人もいれば、特定分野で高度な看護に携わりたいと考える人もいるでしょう。
また、結婚まではバリバリ働いて、結婚してからは家庭を重視して、無理のない範囲で働きたいと考える人もいるかもしれません。

それぞれにあった働き方を選び、その範囲内で転職を考えていくことが大切です。

様々な情報媒体を利用して、情報を集める

看護師が転職を考えた時、利用できる媒体には以下のものがあります。

・病院ホームページからの直接応募
・友人・知人からの紹介
・就職情報誌からの応募
・求人広告からの応募
・ナースバンクやハローワークからの応募
・看護師専門転職サイトを利用する

職場の雰囲気や人間関係は、転職を希望している人・考えたことがある人の中でも、もっとも重視する人が多い項目ですが、同時にもっとも把握しにくい項目でもあります。

転職サイト以外の場合、通常は求人広告に掲載されている情報が頼りとなります。
しかし、求人広告に掲載されている情報というのは、求める人物像など病院などの施設側から見た情報しかなく、実際の内部情報というのはなかなか分かりにくいものです。

内部情報を集めずに転職を決めると、入職後「思っていたことと違う」、「こんなはずじゃなかった」と思うようになる確率が高くなります。

自分が就職を希望している病院で働いている知り合いがいるなど、内部情報を集める手段がある人であればいいのですが、そういう知り合いがいなければ集めにくいものです。

特に都市部では求人情報が多いこともあり、看護師専門転職サイトに登録している人が多く、地方の情報は都市部に比べて多くないとはいえ、専門転職サイトに登録している人が多くなっています。

専門転職サイトの場合は、担当コンサルタントとの相性に左右される部分もありますが、自分に合わないと思ったら担当を変えてもらうことも可能ですし、自分の希望条件を伝えておけば、求人を紹介してもらえるので、転職サイトに登録しつつ、様々な媒体や人脈を駆使して情報を集め、求人広告などに目を通すようにすると、より満足行く転職に結びつきやすくなります。

面接では背伸びをしない

転職後に限らず、働く中で悩まされることが多いのが人間関係です。
職場も一つの組織なので、働く上で上下関係が生じ、その人間関係に左右されてしまうのはある程度仕方がないことといえます。

これは転職して、途中入職した人に見られがちなことですが、面接の時に過剰に自己アピールしてしまったことで、人間関係の悪化を招くことがあります。

転職を経験した人であれば、「○○が得意です」など自身の得意分野を懸命にアピールした経験があると思います。
得意分野をアピールするというのは、転職するにあたって大切ではあるのですが、その病院の業務(実務)レベルが高い場合、その得意だったはずの業務が、求めるレベルに達していなかったということが起こりえます。

面接時にアピールしすぎたことにより、職場で浮いてしまい居心地が悪くなることに繋がるわけですが、これを防ぐのは実務レベルを把握することもあるのですが、過剰にアピールすることは避けることにあります。

例えば、「前の病院では○○が得意でしたが、貴院での実務レベルに達するよう研鑽に励みます」とか、出産などでブランクがある人であれば「○年のブランクがあります」というように、現在の状況を正直に伝えることも必要です。

最後に?失敗談から学ぶ

看護師の有効求人倍率は、他業種・多職種と比べても大変高くなっています。
しかし、転職に失敗して再度転職を考える人位も一定数おり、GoogleやYahooで「看護師 転職 失敗談」などと検索すると、多くのページが表示されます。

個人が運営しているページから、転職サイトが運営しているページまで様々ですが、そこには様々なケースの失敗談が掲載されており、その失敗した原因も詳しく分析されているので、転職サイトなどで情報を収集しつつ、こういった失敗談を分析することで、同じ失敗を避けることができます。