看護師がその専門性を認められるために取得すると良い資格の代表としては、認定看護師があります。しかし、認定看護師の実際について、看護師の中でも知っている人は多くありません。
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arrow_orangeそこで、認定看護師の現状やなり方、一般看護師との差について、まとめてみたいと思います。

認定看護師とは?

認定看護師とは、特定の看護分野について、その熟練した看護技術と知識を活かして、高水準の看護を実践することのできる看護師を認定することで、看護ケアの室の向上を図るために創設された資格です。

認定看護師制度は1995年から始まり、1997年に救急看護と皮膚・排泄ケアの2分野が、99年に集中ケア、緩和ケア、がん性疼痛看護の3分野が加わり、計5分野で認定が始まりました。

その後は、がん化学療法、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケア、透析看護、手術看護、乳がん看護、訪問看護、摂食・嚥下障害看護、小児救急看護、認知症看護、脳卒中リハビリテーション看護、がん放射線療法看護、慢性呼吸器疾患看護、慢性心不全看護と分野が広がり、2012年には合計21分野で認定されています。

認定看護師の登録者数の推移について

前述したように、日本で最初に個人が特定分野で認定されたのは1997年で、救急看護と皮膚・排泄ケアの2分野でした。認定が始まった97年は59名、認定分野が広がり始めた2001年以降から急速に増え始めて、9倍強になる548名、その後は認定分野が広がるとともに増え始め、2015年10月1日現在では全国に15,965名の認定看護師が登録しています。

分野別で見れば、感染管理、皮膚・排泄ケア、緩和ケア、がん化学療法看護の4分野が多く、それぞれ2,324名、2,172名、1,851名、1,385名で、この4分野で全体の約半数を占めています。

都道府県別に見ると、東京都、大阪府、神奈川県など大都市圏に登録者数が多い傾向にあります。地方別では、関東甲信越が4,974名で全体の35%を占めていますが、比較的全国まんべんなく認定看護師が登録しており、一部の県を除いて100人以上は登録しています。
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認定看護師になるには

日本看護協会認定部が示している、「認定看護師(Certified Nurse)への道」によると、下記のとおりとなっています。

まずは日本国の看護師免許を有していることが前提となります。例えば、海外で看護師免許を取った人が日本で看護師として働き、認定看護師になりたいと考えた場合は、日本の看護師免許に書き換える必要があります。そこから、免許取得後に実務研修5年以上(3年以上は認定看護分野の実務研修)という条件を満たした看護師が、認定看護師教育機関に進むことができます。特定看護分野の実務研修内容の基準では、どの分野もその分野における臨床経験3年以上かつ看護実績5例以上という条件がついています。
また、現在も継続してその看護領域で勤務していることが望ましいとされています。臨床経験3年以上かつ、看護実績を示した書類を審査した後、合格した看護師が認定看護師教育機関に入学し、6ヶ月間・615時間以上の教育を受けます。教育カリキュラムは共通科目(看護管理やリーダーシップなど必須7科目、臨床薬理学など選択3科目)と各分野の専門科目に分かれています。

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教育機関は各地区に点在しており、2015年4月現在では29都道府県に55校の教育機関があります。但し、全ての教育機関で全ての認定分野の科目が開講されているわけではなく、認定を受けたい分野によっては遠くの地区に講義を受けに行かなければならない場合もあるので、その点は注意が必要です。

教育機関の開講状況を見ても、認定看護師の人数が多い感染管理、皮膚・排泄ケア、がん化学療法看護の4分野の開講教育機関数・受講定員ともに多い傾向があります。また、時代を反映してかまだ認定看護師の人数自体は多くないものの、認知症看護の開講教育機関数・受講定員ともに多くなっています。

その後、日本看護協会が実施している、認定看護師認定審査を受験し、審査に合格して登録手続きを行った後、認定看護師となることができます

認定看護師の認定申請はWEB上の「資格認定制度 審査・申請システム」で行います。その後審査料50,760円(税込)を支払い、申請書類を提出します。

認定試験は筆記試験となり、会場は宮城県・東京都・愛知県・大阪府・福岡県の5会場です。午前は、緩和ケア、集中ケアなどの10分野、午後は認知症看護、感染管理などの11分野の試験が行われます。

申請書類は全てオンラインで提出となるので、インターネットの接続環境を確認しておいて下さい。また、認定看護師資格の有効期間は5年となります。

accept5年経過ごとに看護実践時間が5年間で2,000時間以上かつ学会などへの参加や発表などが規定の内容で50店以上という条件を満たしていれば、再認定審査を受験することが可能になります。

認定看護師と給料アップの関連性について

認定看護師の資格を取ったら、給料アップの期待をかけたいところですが、認定看護師の資格を取得したからといって、それを毎月の給料に反映してもらうことは、現実的に難しいようです。

2012年病院勤務の看護職の賃金に関する調査によると、認定看護師手当があると回答した病院が全体の3割で、約7割の病院では手当を支給していません。支給している病院での平均支給額は11,006円で、年額にすると約13万円となります。

arrow_orange認定看護師について手当を支給している病院は、資格取得やキャリアアップを積極的に支援している病院が多いという特徴があります。認定看護師の資格を取得することでキャリアアップを図りたいと考えている人は、資格取得支援を積極的に行っている病院に転職しておくといいでしょう。

認定看護師の適性とは

求められる適性というのは認定分野によって異なります。例えば、認知症認定看護師であれば、根気強く患者さんと向き合えるメンタルの強さが必要です。また、家族のメンタルケアも求められるため、メンタルヘルスへの知識も必要になります。

認定看護師を目指す人の共通点としてあげられるのは、特定分野のエキスパートになることで、より患者さんに近い目線で看護を行いたいと考えていることです。実際、認定看護師になると、患者さん本人や患者さんのご家族などから病院での過ごし方や在宅ケアについて質問されることが多く、頼られる機会が多くなります。
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attention認定看護師になるためには、認定を受けたいと考えている分野に関する看護技術や知識を十分に有しているか、もしくはその分野の看護を極めることで患者さんやそのご家族、周囲の看護師からアドバイスなどを求められることに対する覚悟があるかという点があげられます。

認定看護師になるメリットとは?

認定看護師になるメリットは、まずその分野の専門知識があることが認められる点にあります。認定看護師は21分野あり、その中には絶対数が足りない分野もあります。適正にもよりますが、興味ある分野であれば、その分野を極めることによって、エキスパートとして様々な病院・施設から引っ張りだこになる可能性もあります。
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例えば、訪問看護の認定看護師であれば、これから在宅ケアを希望する方も増えます。それに伴い、訪問看護のニーズも増えてくるので、訪問看護に興味がある人であれば、訪問看護分野の認定看護師になることで、その分野のエキスパートとして人気が出る可能性もあります。