病院よりも安心できる自宅で療養したいという患者さんの希望や、国の推し進めている政策もあって、年々ニーズが高まっている訪問看護師。介護保険を利用したヘルパーさんの訪問介護などと比べると、まだまだ認知度は高くないのが実情です。訪問看護師の数も全体的に不足しています。事実、訪問看護の利用者数は平成25年の時点で約41万人であるのに対し、訪問看護ステーションに所属している看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)の数は約41千人しかいません。単純計算で看護師さん1人あたり10人の患者さんを診ている計算になりますが、これから高齢者がますます増えていくにつれて、訪問看護師はますます必要になってくるといえます。では、訪問看護とはどのような仕組みで、どのような仕事をするのでしょうか。

訪問看護師は、ほとんどの場合民間の訪問看護ステーションに所属して活動しますが、病院内に設けられている訪問看護部門に所属する場合もあります。患者さんが公的保険を使って訪問看護を利用するには、かかりつけの医師が訪問看護指示書を出す必要があります。この指示書は訪問看護ステーションに対して出され、ステーションではその指示書に基づき、患者さんが必要とする看護を提供します。

では実際に患者さんの自宅を訪問した際、どのようなことをするのでしょうか。まずは体温や血圧、脈拍などのバイタルをチェックし、患者さんの顔色や全体的な様子を見て、異常はないか確認します。かかりつけ医から指示があれば、点滴や注射、痰吸引、カテーテルの交換などの医療処置をします。患者さんがリハビリを必要としていれば、看護師以外にも理学療法士や作業療法士などもリハビリを担当し、日常生活が安全に行なえるよう、食事やトイレ、外出などの訓練をしたり、マッサージを行なったりすることもあります。ご家族が不安を感じていたり、病状や対処法など質問があれば、ご家族とコミュニケーションをとって不安を和らげたり、アドバイスをしたりすることも大切な仕事の一部です。