病院などの施設で働いている看護師は、例外なく給与や賞与から税金を徴収されています。給与明細を見れば、税金がいくら取られているのか分かりますが、中には給与明細をほとんど見ない方もいらっしゃるかと思います。

そこで、給料や賞与の中から控除されている税金について、まとめてみたいと思います。

税金の対象になる部分はどこ?

支給総額とは、基本給に諸手当を含めた金額のことをいいます。

年収とは、1年分の基本給と諸手当に、年2回支給される賞与の合計から、毎月もしくは3か月、6ヶ月ごとに支給される通勤手当、社会保険料を差し引いた課税所得のことを指します。

社会保険料とは?

社会保険料は総支給額に対してかかり、健康保険料は40歳未満が4.985%、40歳以上が5.775%、厚生年金保険料は8.737%、雇用保険料は0.5%が本人負担になります。

社会保険料については、毎年4月~6月に支給された給与(通勤手当も含む)の平均額によって1年間の標準報酬が決まります。この標準報酬に保険料率を乗じて算出された金額が、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料となり、毎月の給与、夏・冬の賞与から控除されます(40歳未満は全体で14.222%、40歳以上は全体で15.012%)。

税金とは?

病院などの施設で働いている看護師が徴収される税目は2つで、源泉所得税と、これとは別に前年の所得から計算される住民税が毎月の給与から徴収されます。

住民税は、前年(1月1日~12月31日)の収入から必要経費や社会保険料などを差し引いた後、税率を掛けて算出された金額を、6月から翌年の5月まで12分の1ずつ徴収されます。

所得税は、課税対象額(支給総額-(通勤手当+社会保険料))から、1年間の収入予定額をもとに、概算の所得税を毎月の給与から支払います。12月31日に年間収入が確定するので、その時点で改めて計算し直して、過不足を調整しています(年末調整)。

課税対象額(年収)400万円、500万円、600万円の別に、下記収入を想定した場合の税額をシミュレーションしてみます。毎月控除されている税額の参考にしてみてください。

※ 所得税額は、扶養親族等の数により変わります。下記でシミュレーションしている源泉所得税については、扶養親族等の数0人の場合の税額を記載しています。また、社会保険料については40歳未満の方の場合の金額を記載しています。

課税所得400万円

基本給190,000円×12=2,280,000円
諸手当80,000円×12=960,000円
通勤手当15,000円×12=180,000円
賞与190,000円×4=760,000円

社会保険料(給与)40,533円 (賞与)54,044円 (年間)594,484円
源泉所得税(給与)5,780円 (賞与)26,624円 (年間)122,208円
※ 毎月の給与にかかる源泉所得税については、扶養親族等の数が4人以上の場合は0円です。また、賞与にかかる源泉所得税は、扶養親族等の数により税率が異なる場合があります。

なお、年収が401万円を超えると、毎月の源泉所得税が変わってきます。

課税所得500万円

基本給252,500円×12=3,030,000円
諸手当80,000円×12=960,000円
通勤手当15,000円×12=180,000円
賞与252,500円×4=1,010,000円

社会保険料(給与)49,421円 (賞与)71,821円 (年間)664,873円
源泉所得税(給与)7,710円 (賞与)70,764円 (年間)163,284円
※ 毎月の給与にかかる源泉所得税については、扶養親族等の数が5人以上の場合は0円です。また、賞与にかかる源泉所得税は、扶養親族等の数により税率が異なる場合があります。

なお、年収が501万3,200円を超えると、毎月の源泉所得税が変わってきます。

課税所得600万円

基本給315,000円×12=3,780,000円
諸手当80,000円×12=960,000円
通勤手当15,000円×12=180,000円
賞与315,000円×4=1,260,000円

社会保険料(給与)58,310円 (賞与)89,599円 (年間)789,319円
源泉所得税(給与)11,360円 (賞与)88,280円 (年間)122,208円
※ 毎月の給与にかかる源泉所得税については、扶養親族等の数が7人以上の場合は0円です。また、賞与にかかる源泉所得税は、扶養親族等の数により税率が異なる場合があります。

なお、年収が602万円を超えると、毎月の源泉所得税が変わってきます。

税金に関してのまとめ

年末調整では、火災保険料などの控除しか行われません。年度内に医療費控除や住宅ローン控除などの控除が発生している場合は、改めて確定申告を行う必要があります。これらを行うことで、さらに税金が戻ってくる場合もあるので、毎月の給与明細は大切に保存しておくよう注意してください。

参考
給与所得の源泉徴収税額表
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2014/data/01_1.pdf

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2013/data/03.pdf

平成27年4月分(5月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h27/ippan/13tokyo.pdf