看護師の労働環境を改善するために導入された「ロング日勤」が新たな問題を生み出しています。一般的に看護師の夜勤勤務の負担が大きい病院ほど看護師の離職率が高い傾向にあります。この状態を打破するために日本看護協会は1回の夜勤勤務を13時間以内にとどめるようガイドラインを打ち出しました。しかし病院側は人員不足のところが多く、このガイドラインの沿うために誕生したのがロング日勤です。1回の勤務時間が12時間を超える日勤を看護師が強いられることになり、いつ終わるかわからない勤務状態に精神的肉体的苦痛を訴える看護師さんたちが続出しています。

労働基準法の第32条では1日の労働時間の上限は8時間まで、週の労働時間の上限は40時間までと定められています。これを守らず労働者に労働を強いた場合は使用者側に罰金などの罰が与えられます。しかし病院のような特別な場所の場合はその労働の性質から例外措置を定めています。それは労働基準法36条の通称「サブロク協定」です。過半数代表者または過半数を組織する労働組合が締結することで、労働基準法32条に規定されている労働時間の規定を超えて労働者を働かせたとしても使用者側は罪に問われないとしています。一見サブロク協定は労働者側を守っているように見えますが、実際は時間外労働の温床となってしまっているのです。

看護師の労働環境が改善されないのもこのような背景があります。しかしロング日勤に耐えられるのは一握りの看護師だけで、多くの人は転職を余儀なくされています。例えば2交代制の急性期の病院に10年以上勤めていたある看護師さんの場合、今までは旦那様の理解もあって、子どもの送り迎えなど何とかこなせていたそうです。しかしロング日勤が始まって以来、子供の送り迎えどころか家庭との両立ができなくなってしまいました。長く勤めた病院ですし辞めたくないのが本音でしたが、今は2交代制の病院で非常勤や短時間勤務者もいる、看護師の生活に融通がきく勤務体制の病院へ転職したそうです。ロング日勤は看護師さんに大変負担の多い勤務体制です。もし少しでも無理を感じるようであれば転職を考えてみてください。